フィリピンのソブリンウェルスファンド(国営ファンド)いよいよ始動
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フィリピン政府は、ソブリンウェルスファンド・マハリカ投資基金MIFの実施規則と規定(IRR)を改善するための一時停止からわずか1か月でIRRを最終化しました。MIFは、国の発展のための資金を管理するために設立された新しい国営ファンドです。
マルコス大統領は、IRRの最終化が完了したことを発表し、承認され次第、MIFの運用を迅速に開始する意向を表明しました。
IRRの一時停止は、国営銀行のLANDBANKとDBPが、初期資金としてそれぞれ500億フィリピンペソと250億フィリピンペソを既に納付した後に発令されました。
一時停止の理由は、透明性と説明責任が備えられるように、IRRが慎重に検討される必要があるというマルコス大統領の意向がありました。
一方で、経済学者たちは、IRRの一時停止は、マルコス大統領がマハリカ投資基金の最高経営責任者(CEO)の任命に影響を与えるためのものである可能性があると指摘しました。
また、IRRには外国または国内の民間投資家が基金に投資する方法に関する指針が不足しているとの懸念を表明しました。
一時停止されたにもかかわらず、マルコス大統領は、MIFが年内に稼働する意向を繰り返し示しています。この基金は、国の基盤となるインフラプロジェクトの実施を加速するために使用され、その価値は約1530億ドルに相当します。
MIFへの投資は、急成長するフィリピンを、ポートフォリオを多様化したい国内外の株式投資家から資金を集め、環境、社会、企業のガバナンス(ESG)に関連する投資機会を提供するとみられています。
フィリピンのソブリンウェルスファンドが始動します。”国策に売りなし”という有名な投資の格言があります。
マハリカ投資基金(MIF)が何に投資をするのか注視して行くことが大切ですね。サウジアラビアや米国の大手ファンドなどがファンドに参加すると、インパクトが大きくなりますので、期待したいところです。
本記事は、下記ニュースを要約したものに、投稿者の意見や見方を加筆したものです。

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングエグゼクティブディレクター
慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア・ユニシス)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている