フィリピン原発推進へ検討開始
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フィリピンの電力会社、Manila Electric(Meralco)は、米国のUltra Safe Nuclear Corp.(USNC)との契約を締結し、フィリピンにおいて、原子力発電・マイクロモジュラーリアクター(MMR)システムの展開の可能性を検討することになりました。
契約は11月15日に、30回目のアジア太平洋経済協力指導者会議(APEC Leaders’ Summit)の合間に行われました。契約にはMeralcoの会長兼最高経営責任者であるManuel V. Pangilinan氏と、USNCの創設者兼最高経営責任者であるFrancesco Venneri氏が署名しました。
この合意に基づき、USNCはMeralcoは、MMRシステムの理解を深め、効果的な利用方法についての4か月間の事前調査を行います。その後、MeralcoはMMRエネルギーシステムの採用と展開に焦点を当てた詳細な実現可能性調査を実施する選択肢があります。調査では、財務、技術、安全性、用地要件、商業的実現可能性などが評価されます。
USNCのMMRエネルギーシステムは、高温ヘリウム冷却マイクロリアクター・核バッテリーを特徴としており、これにより安全かつ信頼性の高い最大45メガワットの高品質の熱を供給できます。これは、中央の熱蓄積ユニットに供給されます。1つまたは複数のMMR核バッテリーは、熱蓄積ユニットでその熱を結合し、そこから従来の手段で電力または過熱蒸気を抽出し、数十から数百メガワットの電力供給を行うことができます。
Meralcoは、この原子力イニシアティブが同社の長期的な持続可能性戦略の一環であり、MMRエネルギーシステムなどのクリーンテクノロジーの採用を検討し、再生可能エネルギーへの移行を加速させることを目指しています。
また、Meralcoは2025年から2027年までの2年間のプログラムで、原子力の導入を推進する専門家の育成を目指しています。
脱炭素化の流れの中で、フィリピンでは再生可能エネルギーの強化が進んでいます。太陽光、水力、地熱などの発電所が次々に建設されていますが、フィリピンでは、今後長期的にさらに電力需要が高まることを考えると、エネルギーミックス上、原発はおさえておきたい選択肢でしょう。
本記事は、下記ニュースを要約したものに、投稿者の意見や見方を加筆したものです。https://www.bworldonline.com/corporate/2023/11/17/558173/meralco-tap
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