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フィリピン株式市場・先物取引の現状

ニュース記事

フィリピンの株式市場・PSE(Philippine Stock Exchange)が、先物売り・ショートセリングを許可しました。
ショートセリングは、株を借りて売り、後で低い価格で買い戻すことができる取引です。これにより相場が下がると利益を得ることができます。
フィリピン株式市場でのショートセリングは、PSEが1996年に提案した後ほぼ30年かかってようやく実現したものです。
11月から株式のショートセリングが許可され、PSEiを含む52の株と1つのETFが対象となっています。これにより、投資家は証券を借り、オープンマーケットで売却し、後で低い価格で買い戻すことができます。
フィリピンはこれにより、中国や韓国が米国の金利上昇に伴ってショートセリングを規制する中で、ショートセリングを開始したことになります。シンガポール、香港、マレーシア、タイ、インドネシアでもショートセリングが行われています。
PSEは、過去10年間における平均の株取引量が約40%減少し、外国の株式投資が過去6年間にわたり減少している市場において、興味を喚起することを目指しています。
ショートセリングは市場流動性を増加させる可能性があり、一方通行の道路が二方通行になったとも言えますし、適正価格への誘導にも役立つと考えられています。
ロング戦略は、過小評価された株を見つけ出し、それを買い、公正な価値に達するか、それに近づくまで保有することです。しかし、過大評価された株は過大評価されたままです。ショートセリングにより、理想的には市場は過大評価された株を見つけ出し、この過大評価を訂正するインセンティブが生まれるという考え方があります。
また、ショートセリングは投資家に対してブルマーケット、ベアマーケットのいずれでも、利益を上げることができるようにします。
一方で、現地の証券会社のバックエンドやクライアントシステムは、ロングオンリー市場に対応しており、ショートへの対応には時間がかかる見込みです。
また、多くの投資家はまだショートセリングの仕組みを理解していない状況です。
注意喚起として、ショートセリングがリテール投資家にとって非常にリスキーになり得るという指摘もあり、PSEと証券会社が投資家に対してショートセリングの使用法、リスク、要件について適切に教育することが重要だとされています。
ロングの場合、仮に株式が上場廃止や倒産なとしない限り、投資がゼロになることはありませんが、ショートセリングでは株価が上がり続ければ投資額全損のリスクがあります。
PSEのモンソンCEOは、11月のショートセリング開始後、短期間で流動性が急上昇することは期待していないと述べています。新しい商品やサービスを導入する際には、市場参加者、証券会社、投資家が、有価証券の借入・貸し出しとショートセリングの要件とリスクを理解する時間が必要だとしています。
また、ショートセリングは市場流動性の万能薬ではないとも述べています。むしろ、今後デリバティブなど商品を開発するための必要なステップと位置付けているとしています。

本記事は、下記ニュースを要約したものです。

Philippine short selling in short demand 3 months after its launch

家村 均