業績好調+割安!フィリピン大手財閥・GTキャピタル
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フィリピンの大手財閥GTキャピタル (GTCAP) が好調な業績を発表しました。2023年の利益 は前年比61%増の256億ペソとなり、市場予想に一致しています。第4四半期 (4Q23) だけでも56億ペソの利益を計上し、前年同期比23%増となりました。
さらに、GTキャピタル傘下の各事業セグメントが好成績を収めています。内訳としては、(1) トヨタ自動車の販売台数が増加し、為替や値上げ、人気モデルの好調な販売ミックスの影響もあり、4Q23の売上高は前年同期比28%増となりました。 (2) メトロバンクは、融資残高の増加に伴い、2023年通期 (FY23) の利益が12%増となりました。 (3) メトロ パシフィック インベストメンツ コーポレーション (MPIC) は、発電事業の好調さや水道事業の値上げにより、2023年通期の利益が前年同期比90%増の199億ペソと過去最高益を記録しました。 (4) フェデラル ランドもまた、4Q23に堅調な業績を示しました。
アナリストのの見解が紹介されており、GTキャピタルの株価が純資産価値 (NAV) と比較して大幅なディスカウントで取引されている現状 (52%ディスカウント) は正当化できないとしています。
現在、GTキャピタルのPER (株価収益率) は5.4倍ですが、過去5年間の平均は12倍でした。
また、GTキャピタルはより割安な価格でメトロバンク (MBT) に投資できる方法として紹介されています。PBRで見ると、GTキャピタルは0.5倍なのに対し、MBTは0.6倍となっています。
GTキャピタルとMBTはどちらも今年に入って市場平均や競合他社を上回る成績を収めていますが、GTキャピタルの方が上昇余地が大きいとアナリストは見ています。アナリスト予想によると、GTキャピタルは現在の水準から38%上昇が見込まれる一方、MBTは13%の上昇にとどまるとしています。さらに、MBTは今年に入って海外投資家によるネット買いが活発だったため、割安感が薄れていることも指摘されています。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20240325のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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