食品大手URC 株ネガティブ要素は織り込み済み、上昇のカギとなる好材料
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URCの株価は年初来 12.2%下落しており、指数採用銘柄の中で今年最悪のパフォーマンスとなっています。
株価に重圧がかかっている要因は? (1) 2023会計年度の失望的な業績、(2) コーヒーやココアなどの主要原材料価格の高騰に対する懸念、(3) 外国人投資家による継続的な売り越しです。
しかし、我々はこれらのネガティブ要素の多くは既に織り込まれていると考えています。その根拠は、(1) 株価の弱さ、(2) 業績発表後アナリストによる4%の下方修正が行われたこと、(3) コンセンサス平均目標株価が約4.1%下がり1株当たり155.61ペソになったこと (なお、ほとんどのアナリストは依然として「買い」推奨を継続)、(4) 外国人投資家による大幅な売り越し (今年に入って売り越し額トップの指数銘柄) などです。また、テクニカル的にも、株価はわずかに売られすぎを示唆しています。
売上高と利益が減少した中、利益率は改善しており、2023年第4四半期は28.1%に上昇したのに対し、2022年第4四半期は24.8%でした。EBIT (利息・税引前利益) が今年14%成長すると見込んでおり、EBIT マージンが70ベーシスポイント改善して約12%になることが要因です (2019-2023年の平均マージン11%を60ベーシスポイント上回る)
URC の現在の株価は P/E レシオが 15.4 倍 (予想PERは 13.4 倍) と、過去 5 年間の平均である 22 倍を下回っており、割安感があると指摘します。ABCの目標株価142 ペソは、現在の株価から 37%近くの潜在的な上昇余地を示しており、アナリスト平均目標株価 155.61 ペソ (約 50%の上昇余地) よりも保守的です。
今年、株価上昇のきっかけとなりうる要因としては、(1) インフレの緩和、(2) コーヒーやココア価格の調整 (ただし、これは今年後半になる可能性が高い)と、(4) 販売促進費の削減 (昨年のコスト削減による販促費への一時的な再投資) がさらに営業レバレッジを向上させることが挙げられます。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20240328のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものに、投稿者の意見や見方を加筆したものです。
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