電力大手メラルコ(MER)業績好調、気温上昇で電力販売量増
ニュース記事
要点
- MERの2024年第1四半期 (1Q24) の純利益は、前年同期比19%増の96億ペソとなり、市場予想を上回りました。特に配電セグメント (DU) の販売量が好調で、コア純利益の58%を占めています。
- 気温上昇が電力販売量を押し上げました。1Q24の連結売上高は前年同期比9%増の12,370ギガワット時 (GWh)となり、住宅・商業部門で2桁増となりました。エルニーニョ現象により1Q24の平均気温は0.5度上昇し、住宅部門の販売量は12%増となりました。また、オフィス、モール、ホテルなどの経済活動の活発化に伴い、商業部門は11%増となりました。産業部門は半導体産業の回復により、前年同期比3%増となりました。
- 気温がさらに上昇する中、4月の暫定値は前年同期比8%増の約4,600ギガワット時の販売量を示しています。MERの4月のピーク需要は前年同期比14%増の9,301ギガワット時となり、2024年度の予想ピーク需要 (8,791ギガワット時) を上回りました。エルニーニョ現象は5月まで続く見込みで、需要もさらに増加することが予想されます。
- 一方、発電部門は1Q24の期間中に発電量が11%減少し、3,229ギガワット時となりました。これは、夏期需要に向けて1月から2月にかけて3つの発電所 (GBP、SBPL、PLP) で計画停電を実施したためです。
- MERはSMCのガスパワー発電所への投資を計画しており、必要な承認が得られ、契約が今年中に締結されれば、発電収入の増加につながる可能性があります。
- MERは買い推奨で、目標株価は400ペソ/株、アナリストコンセンサスは412ペソ/株です。株価は年初来パフォーマンスが市場平均を下回っており、追いつく余地が十分にあります。通常5月にピークを迎える需要が今月すでにピークを迎える兆候があることから、株価は好意的に反応するはずです。また、外国人投資家の保有が少ないため、過熱感のない銘柄となっています。
ポイント
- MERの1Q24業績は市場予想を上回り、特に配電セグメントが好調。
- 気温上昇が電力需要を押し上げ、4月の販売量は前年同期比8%増のペース。
- 発電部門は計画停電の影響で1Q24の利益が減少したが、今後回復が見込まれる。
- MERはガスパワー発電所への投資を検討しており、実現すれば発電収入の増加につながる可能性がある。
- アナリストはMER株を買い推奨しており、株価上昇余地があるとしている。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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