海外投資マネーの買い越し、過去10年で最長の連勝
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フィリピン市場への外資の買いが続いており、過去10年で最も長い連勝となっています。
具体的な数字と期間: フィリピン市場への外資の純買いは、27営業日連続で続いています。これは、今年3月に記録した記録に匹敵し、2014年5月以来の最長記録です。この期間中に合計4億1100万ドルが市場に流入し、年初来の残高は8700万ドルに増加しました。(2024年上半期は5億ドルの流出でした。)
要因分析: フィリピン市場への外資の関心が再び高まった要因として、金利への感度や有利なバリュエーションなどが挙げられます。フィリピンは、米国との間で金利差がプラスとなっているものの、歴史的に低い水準を維持しています。米国の利下げが予想され、フィリピンのインフレが予想よりも低調な傾向にあることから、フィリピン中央銀行は金利を下げる余地が大きく、今年75ベーシスポイントの利下げを予想しています。(以前は50ベーシスポイントを予想していました。)
地域全体とフィリピン市場の比較: ブルームバーグ・インテリジェンスによると、東南アジア市場は3カ月連続で外資の純買いを記録し、7月以来50億ドル以上の資金流入があったと報告されています。しかし、フィリピン市場における外資の保有比率は、パンデミック前の27%から現在24%に低下しており、2014年の最高値である約30%には達していません。
セクター別の分析: 指標銘柄30社のうち20社が外資の純買いとなっていることから、外資需要の広範な回復が示唆されています。特に、銀行と財閥企業が外資の純買いが最も多い銘柄となっており、最近になって消費者セクターへの外資の関心がみられるようになりました。不動産セクターへの関心は限られており、ALIのみが外資の純流入を記録しています。
今後の見通し: 銀行と複合企業については引き続き楽観的な見方を維持しており、消費者と不動産セクターが外資の流入面で追い上げると予想しています。
まとめ: フィリピン市場への外資の買いは、金利差、インフレの低迷、そして東南アジア全体での投資意欲の高まりなどを背景に、活発な状況が続いています。特に、銀行や複合企業への関心が強いものの、消費者や不動産セクターへの投資も期待されています。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20231010のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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