JGサミット財閥、石油化学事業の無期限停止を発表:市場の逆風と累積損失が要因
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フィリピンの大手コングロマリット、JGサミットは、世界的な石油化学市場の低迷を受け、無期限の商業運転停止を発表しました。この決定は、長年にわたる巨額の損失と、市場の好転の見通しが立たない状況下で、合理的な選択として下されました。
JGSは、エチレンやプロピレンといったオレフィン原料を製造しており、これらはポリエチレンやポリプロピレンといったポリマー製品の原料として使用されます。同社は、バタンガス市にある拡張された石油化学プラントを2023年1月に操業開始したばかりでしたが、世界的な市況の悪化により、操業開始からわずか1年強で大規模な損失を計上する事態となりました。JGSは商業運転を停止するものの、既存の製品在庫の販売は継続するとしています。また、液化石油ガス事業は継続されます。
石油化学事業の業績は著しく低迷しており、2024年第1四半期から第3四半期の純損失は114億ペソに達しました。このような状況を受け、JGサミットは昨年11月、債務をカバーするために最大171億ペソの資金を注入しました。しかし、市場環境の厳しさは改善されず、今回の無期限停止という決断に至りました。
市場アナリストは、市場環境が大幅に変化し、JGSOCが収益を上げられるようにならない限り、事業からの撤退を検討すべきだと述べました。今回の無期限停止は、JGSOCがJGサミットにとって重荷となっている現状を鑑みれば「最善の決断」であると評価しました。この決定が最終的にはJGサミットにとってプラスになるとの見解を示しました。
JGサミットは、石油化学事業の他にも、農業関連事業、不動産・ホテル事業、航空輸送事業、銀行事業などを展開しています。2024年第1四半期から第3四半期にかけて、JGサミットは純利益が16%増の179億ペソ、売上高が10%増の2770億ペソとなりました。しかし、石油化学事業の不振がグループ全体の足を引っ張る形となっています。
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