フィリピン通信大手コンバージの目標株価引き上げ by AB Capital
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コンバージ(CNVRG)の2024年度通期決算は、事前の予想通り堅調な結果となりました。純利益は108億ペソに達し、前年比で19%増加しました。ただし、2024年第4四半期のみを見ると、前四半期に発生した一時的な要因により、前年同期比で5%の減益となりました。
加入者数の増加も目覚ましく、年間で43万5千人の新規加入者を獲得しました。これは、2023年の25万1千人を大幅に上回る数値であり、2027年までに400万人の加入者を達成するという中期目標に向けて順調に進捗していることを示しています。2024年第4四半期だけで見ても、10万4千人の住宅向け新規加入者を獲得し、そのうち38%が主力ブランドのFiberXによるもので、残りは低価格プランによるものでした。
企業向け収益も前年比で22%増加し、特に中小企業(SME)セグメントが48%増と最も急速な成長を見せ、企業向け収益全体の27%を占めるまでに成長しました。2025年度には、スカイケーブルとの商業契約に基づき、スカイケーブルの加入者がコンバージのネットワークに加わることで、卸売収益がさらに増加すると予想されています。
ABキャピタル証券は、コンバージの株式に対するアウトパフォーム(O/P)レーティングを維持し、目標株価を従来の20.50ペソから24ペソに引き上げました。コンバージが810万ポートのFTTHネットワーク(2024年末時点で利用率30%)を保有していることから、月額900ペソ未満の低価格光ファイバー需要を取り込む上で最も有利な立場にあると評価しています。また、コンバージの通常配当は、配当性向の範囲である25~30%の上限に達し、1株当たり0.43ペソとなりました。
コンバージの株価は昨年から大きくアウトパフォームしており、年初来でもその勢いは続いています。今回引き上げた目標株価は、年初来で目標株価が引き上げられている市場コンセンサスを上回っています。株価がアウトパフォームしているにもかかわらず、外国人投資家の参加が最小限にとどまっていることから、株式が過熱している兆候は見られません。
総評:コンバージは堅調な業績と将来性から、投資家にとって魅力的な銘柄であると言えます。特に、低価格帯の光ファイバー市場における競争優位性と、スカイケーブルとの提携による収益拡大の可能性は、今後の成長を牽引する要因となるでしょう。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20250321のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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