台湾マネーがフィリピンへ?
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今や世界の半導体や電子製品製造基地として世界の注目を集める台湾の企業は、米国からの関税が東南アジア諸国の中でも比較的低いフィリピンに注目し、進出を検討しています。
台湾政府は、フィリピンとの関係強化を重視しており、自由や民主主義、地域の安定において重要なパートナーだといています。また、両国間では高度なプロジェクトでの協力も模索されています。
現在のフィリピンに対する米国の関税率は20%と、台湾に対する32%より低く、台湾企業にとっての相対的優位性があります。ベトナムや中国に生産拠点を持つ台湾企業が、リスク分散のためにフィリピンへの倉庫設置や拠点拡大を検討しており、完全移転ではなく一部の生産能力を分散する形での進出が想定されています。
米国は東南アジア諸国に対しても高関税を課す方針で、ベトナム(20%)、カンボジアやミャンマー(40%)、インドネシア(32%)、マレーシア(25%)などが対象となっており、台湾企業のサプライチェーンにも大きな影響を与えると見られます。
こうした中で、米中対立の激化や不透明な米国政策に備えて、台湾企業はすでに中国依存を脱しつつあり、今後のサプライチェーン再編の有力な受け皿としてフィリピンが浮上しています。
さらに、台湾は米国・日本・フィリピンによる「ルソン経済回廊(LEC)」プロジェクトへの参加にも関心を示しており、スービック、クラーク、マニラ首都圏、バタンガスを結ぶこの回廊は、中国の「一帯一路」への対抗策として位置付けられています。台湾企業の中には、LECへの投資やエネルギー分野への関与を検討している企業もあるとのことです。
総評:
フィリピンは関税面での優位性に加え、地政学的にも重要な位置にあり、台湾企業の分散投資先として注目を集めています。個人投資家にとっては、経済特区の工業団地や物流、エネルギー関連インフラなど、サプライチェーンの移転やLECプロジェクトに連動した成長分野への間接的な投資機会が広がっています。米中対立や関税政策を背景とした中長期的なトレンドに乗る形で、分散化を図るには有望なタイミングかもしれません。
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