アボイティス、米ブラックロックとインフラ事業で戦略提携へ 〜フィリピン市場への信認強まる〜
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フィリピンの財閥アボイティス・エクイティ・ベンチャーズ(AEV)は、インフラ子会社アボイティス・インフラキャピタル(AIC)の株式40%を米グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)に売却する方向で、戦略的提携を最終調整していると発表しました。
GIPは、世界最大の資産運用会社ブラックロックの傘下で、エネルギー、交通、デジタル、上下水道分野を中心に1,830億ドル超のインフラ資産を運用しています。今回の提携についてAEVは、GIPとの協業は、フィリピンの近代化に向けたインフラ開発と我々のビジョンが合致していると述べました。-
この提携は、フィリピンのマルコス大統領とGIPのオグンレシCEOとの米国での高官会合により進展し、AEV側は今回の取引を「近年におけるフィリピンインフラ分野で最も重要な海外直接投資のひとつになり得る」としています。マルコス大統領も、「世界的なパートナーが地元の有力企業と協力することは、インフラの強化と経済の未来に対する強い信任を示すものだ」と評価しました。
GIPが出資することで、アボイティスの空港、水道、データセンター、通信といったインフラ資産が今後さらに拡大すると見込まれています。現在、AICはマクタン・セブ国際空港やラグインディンガン空港などを運営しており、今後も地域でのプレゼンス拡大が期待されています。
RCBCのアナリストは、今回の合意が世界の他の投資会社をも引き付ける可能性があり、フィリピンの金融市場と経済に前向きな影響を与えると述べています。こうした期待を背景に、AEVの株価は当日2.29%上昇し、1株あたり33.50ペソで取引を終えました。
総評:
本提携は、フィリピンのインフラ開発に対する国際的な注目度の高まりを象徴しています。GIPという世界的なインフラ投資家の参入は、地元企業にとって資金と信頼の両面で大きな後押しとなるでしょう。今後のプロジェクト拡大と経済波及効果に注目が集まります。
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