米比新貿易協定、関税19%と自動車輸入自由化が焦点に
ニュース記事
トランプ前大統領は、フィリピンからの輸入品に対して19%の新たな関税を課すと発表しました。この発表は、ホワイトハウスで行われたフィリピンのマルコス大統領との会談後に行われたもので、トランプ氏は「美しい訪問だった」と述べています。今回の関税率は4月に発表された17%の「相互関税」より高く、当初懸念されていた20%よりは低い水準となっています。
マルコス大統領は、トランプ氏の発言に反して、フィリピンが無関税で市場を開放するのはアメリカ製自動車に限られると強調しました。加えて、アメリカからの大豆、小麦、医薬品などの輸入も増やす方向で合意が進められており、詳細は今後詰める段階にあります。
アメリカ通商代表部によると、2024年の米比間の物品貿易総額は約235億ドルで、アメリカの輸出が93億ドル、輸入が142億ドルとなり、貿易赤字は前年比21.8%増の約50億ドルに達しています。米国はフィリピンにとって最大の輸出先の一つで、特に半導体や電子製品が主要輸出品です。
一方、フィリピン経済企画開発省は、新たな関税率19%について、ASEAN諸国と比較してもシンガポールに次ぐ低さであり「悪くない結果」と述べました。また、自国経済に与える影響は限定的で、むしろ他国との比較による間接的影響の方が重要と指摘しています。
ただし、市民団体IBON財団は、この取引は米国に有利で、フィリピンには実質的な利益がないと批判しています。特に米国製自動車の無関税化は、日本、韓国、中国、EUなど他の自動車輸出国との摩擦や国内産業育成の妨げになり得ると警鐘を鳴らしています。
総評:
この貿易合意は、数字上は小さな譲歩のように見えても、フィリピンにとっての長期的な影響を慎重に見極める必要があります。米国との関係強化という外交的成果の一方で、産業面では慎重な評価が必要です。透明性を持った情報開示と、国内産業への配慮が今後の課題となるでしょう。
https://www.bworldonline.com/top-stories/2025/07/24/687145/trump-sets-19-tariff-on-phl-goods/
- 2025年のメトロマニラ住宅市場動向と今後の展望 by Colliers - 08/25/2025
- 厳しい米関税にもかかわらず、フィリピン経済は第3四半期5.8%成長を見込む - 08/25/2025
- フィリピン株式市場戦略―1H25決算が示す明暗 - 08/25/2025