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セキュリティバンク 2025年上期業績堅調

ニュース記事

セキュリティバンク 2025年上期・第2四半期決算概要

セキュリティバンク(SECB)の2025年上期純利益は前年同期比8%増の59億ペソとなりました。市場予想には概ね沿ったものでした。

収益面では、純金利収入の増加、手数料収入の拡大、さらにトレジャリー部門でのリバーサル益が寄与し、営業経費の増加や貸倒引当金の積み増しを補いました。特に貸出は前年同期比16%増と引き続き堅調に拡大しており、リテール部門や中小企業向け融資が成長の牽引役となりました。

一方で企業融資は7%の伸びにとどまりました。利鞘(NIM)は前四半期比16ベーシスポイント改善し4.67%に上昇しており、資金調達効率化や貸出金利の改善が奏功しています。経営陣は2025年度通期で約10%の貸出成長を見込んでおり、今後も堅調な融資拡大を維持する方針です。

一方、資産の質についてはやや警戒感が見られます。不良債権比率(NPL比率)は3.2%に上昇し、特にクレジットカード分野での信用コスト増加が影響しました。これにより貸倒引当金は前年同期比52%増となりましたが、経営陣は第3四半期をピークに、第4四半期には引当水準が落ち着くと見込んでおり、リスクは一定範囲内に収まるとしています。

資本面では普通株式等ティア1比率(CET-1)が引き続き堅調に維持されており、財務基盤は安定しています。これにより自己資本利益率(ROE)は8.1%まで改善し、今後は10%水準への到達が視野に入ってきました。収益成長と費用効率の改善が働いており、中期的には持続的な収益力の強化が期待されます。

総評:

セキュリティバンクは貸出の着実な拡大と安定したNIMに支えられ、収益基盤の改善を続けています。信用コスト上昇は依然課題ですが、ピークアウトが見込まれることでリスク管理は適切と判断できます。全体として、同社は投資家にとって収益性とリスクのバランスが改善傾向にある有望な銀行と評価できます。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20250819のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントを加えたのです。

家村 均