フィリピン中央銀行3会合連続で利下げ実施
ニュース記事
フィリピン中央銀行(BSP)は、金融緩和策として主要政策金利を3会合連続で引き下げ、25ベーシスポイントの利下げを行いました。これにより、金利は過去3年で最も低い水準である5.0%となりました。BSPのエリ・レモロナ総裁は、インフレと経済成長に関してフィリピンは「スイートスポット」に位置していると述べています。
今回の利下げは、アナリストの予想に沿ったもので、これにより昨年8月の緩和サイクル開始以来、合計で150ベーシスポイントの利下げが実施されました。7月のインフレ率が0.9%と約6年ぶりの低水準を記録したことが、この決定の背景にあります。一方で、電気料金の調整やコメ関税の引き上げなど、将来的にインフレ圧力が再燃する可能性も指摘されています。
今後の金融政策に関して、レモロナ総裁は、インフレ率と経済成長の見通しが安定していれば、年内は主要政策金利を据え置く可能性があると示唆しました。これは、今回の利下げが、現在の金融緩和サイクルの最後になる可能性を示唆しています。エコノミストたちは、インフレが低いことや経済成長を支援する必要性から、さらなる金融緩和が行われる可能性が高いと考えています。
総評
フィリピン中央銀行は、インフレ抑制と経済成長支援のバランスを取りながら、慎重な金融政策運営を進めています。今回の利下げで金融緩和サイクルが一区切りつく可能性がありますが、今後の経済指標次第では、再度政策の方向性が見直されることも考えられます。当面は現状維持の可能性が高いものの、インフレと成長の両面を注視する必要があると言えます。
https://www.bworldonline.com/top-stories/2025/08/29/694539/bsp-cuts-rates-for-3rd-straight-meeting/
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