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マニラ初のターミナル駅建設遅延解消のため新規のPPP提案

ニュース記事

フィリピン運輸省(DoTr)は、マニラの主要4鉄道路線が連結するターミナル駅、グランド・セントラル駅の建設完了を目指し、新たな提案の審査を進めています。この駅は、LRT-1、MRT-3、MRT-7、そして将来のメトロ・マニラ地下鉄をシームレスに接続するターミナルとなる予定で、ケソン市のノース・アベニューとEDSAの交差点に位置しております。

本プロジェクトは、以前の請負事業者であったBF Corp.とForesight Development and Surveying Co.のコンソーシアムとの契約が、度重なる遅延を理由に2025年5月に終了したことを受け、新たな局面に入りました。これに対し、LRT-1の運営会社であるライトレール・マニラ社(LRMC)が、建設完了を担うための非要請型提案(Unsolicited Proposal)をDoTrに提出しました。

DoTrは現在、LRMCの提案を詳細に審査している段階です。本件は官民パートナーシップ(PPP)の下で進められるため、契約合意には民間パートナーであるLRMCが投下資本を回収するための合理的な投資回収計画が組み込まれることになります。提案の具体的な金額については、審査と経済計画開発省(DEPDev)の承認を得るまでは公表を控えるとしています。

DoTrは、LRMCとの合意を年内(2025年末)に完了させることを目標としており、これにより建設を再開し、グランド・セントラル駅の完成目標である2027年を実現したい考えです。この駅は、当初2021年第1四半期の完成を目指していましたが、契約問題や建設の遅れにより大幅に遅延していました。

LRMCは、アヤラ・コーポレーションやメトロ・パシフィック・ライトレール社などが共同で出資する企業体であり、公共交通インフラ分野における豊富な実績が期待されています。

このターミナル駅の完成は、マニラ首都圏の通勤客の利便性を飛躍的に高めるものであり、都市交通ネットワークの統合に不可欠です。民間部門の迅速な介入は、長期遅延プロジェクトの停滞を打破する上で極めて重要です。DoTrには、目標とする2027年の開業に向けて、審査と承認プロセスを迅速かつ確実に進めることが求められます。

総評:

LRMCによるターミナル駅の完成提案は、長年の懸案事項であったプロジェクトの再始動に向けた前進です。PPPの枠組みを活用し、LRT-1の既存運営者が引き継ぐことで、建設と運営の連携強化が期待されます。2027年の完成目標を達成するためには、DoTrとLRMCが年内に迅速かつ公正な条件で合意を締結することが鍵となります。

https://www.bworldonline.com/corporate/2025/09/26/701043/dotr-reviews-lrmc-proposal-to-finish-unified-grand-central-station/

家村 均