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銀行大手BPIの株価が、好調な業績発表とシンガポールでの事業拡大を受けて上昇

ニュース記事

BPIの株価は、同行が発表した9ヶ月間の増益報告と、シンガポールに拠点を置くウェルスマネジメント部門の設立計画が好感され、先週、値を上げました。アヤラ・グループ傘下の大手銀行であるBPIは、10月13日から17日の期間で、8億5,749万ペソ相当、797万株の取引が行われ、フィリピン証券取引所(PSE)において6番目に活発に取引された銘柄となりました。株価は週間で2.6%上昇し、週末の終値は1株あたり109.20ペソをつけ、金融サブ指数(1.8%上昇)および主要株価指数(0.9%上昇)の上昇率を上回るパフォーマンスを見せました。しかし、この週の上昇にもかかわらず、BPI株は年初来で約10.5%の下落となっており、金融セクター全体の4.6%下落やPSEiの6.7%下落を依然として下回る水準で推移しています。

同行の好調な業績は、純利益が9ヶ月間で前年同期比5.2%増の505億ペソに達したことに裏付けられています。収益全体は13.2%増加し1,423億ペソとなり、その主な牽引役は純金利収入の16.2%増加(1,091億ペソ)でした。また、非金利収入も、クレジットカードやウェルスマネジメントからの手数料収入が好調であったことから、4.2%増の333億ペソを計上いたしました。資産の健全性を示す不良債権比率(NPL)比率は2.3%に留まり、NPLカバレッジは96.5%と高い水準を維持しています。この9ヶ月間の引当金は118億ペソに上りました。

この結果は、高金利環境下での持続的な融資の伸びと、効果的なバランスシート管理が反映された結果であり、株価の上昇を支えました。専門家は、第4四半期もこの勢いが維持されれば、短期的な株価上昇が期待できるとの見解を示しました。また、ベンチマーク金利が引き下げられたにもかかわらず、「マージン強化と融資の拡大」が業績の主因であると分析しています。フィリピン中央銀行(BSP)は10月10日に政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ4.75%とし、2024年8月以降の合計引き下げ幅は175bpとなっています。

さらに、BPIは、アジアの金融ハブであるシンガポールにおいて、富裕層および駐在員クライアントを対象とした完全子会社「BPIウェルス・シンガポール」を立ち上げました。この新部門が今後2~3年でBPIの純利益に2~4%貢献する可能性があると予測しています。アナリストは、同行の通期純利益が前年比7%増の約660億ペソに達すると予測しています。

総評:

BPIの株価上昇は、堅調な9ヶ月間の業績と、成長市場であるシンガポールでのウェルスマネジメント事業への戦略的進出という二つの好材料によって強力に後押しされました。特に純金利収入と手数料収入の増加は、高金利環境下における同行の優れたバランスシート管理と融資戦略が結実したことを示しています。新たなシンガポール部門の設立は、国際的な富裕層を取り込むことで、今後の収益に貢献し、同行の将来的な成長をさらに確かなものにする重要な一歩であると評価されます。

https://www.bworldonline.com/corporate/2025/10/20/706536/bpi-shares-rise-on-higher-earnings-singapore-expansion/

家村 均