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MREITによる大型資産編入:タギッグ市のオフィスビル買収がもたらす成長戦略

ニュース記事

フィリピンの大手不動産開発会社メガワールド傘下の不動産投資信託(REIT)であるMREIT社は、タギッグ市のマッキンリー・ヒルに位置するグレードAのオフィスビル9棟を、約162億2,000万ペソで取得することを発表しました。この取引は、物件と株式を交換する「プロパティ・フォー・シェア・スワップ」の形式で行われ、MREITの収益基盤を大幅に強化する狙いがあります。

今回の資産注入により、MREITの総賃貸可能面積(GLA)には約16万5,477平方メートルが新たに追加されます。これにより、同社のポートフォリオにおけるオフィス物件の総面積は64万6,891平方メートルへと拡大します。具体的な対象物件には、サイエンス・ハブ・タワーやキャンパス・プレイス・ビルディングといった、フィリピン経済特区庁(PEZA)に登録された優良なオフィス資産が含まれています。

市場の専門家からは、今回の資産注入が配当の増額に寄与するとの見方が出ています。タギッグ市のオフィス物件は、首都圏の他の地域と比較して高い入居率を維持する傾向にあるためです。一方で、同社のポートフォリオが依然としてIT-BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)セクターのテナントに強く依存している点については、集中リスクを指摘する声もあります。これに対し、メガワールド側は今後、ショッピングモールなどの商業施設も順次REITに注入していく計画を立てており、資産の多様化を図る方針です。

メガワールドとMREITは、2026年にもさらに約25万平方メートルのオフィスおよびモール資産を注入する予定です。これにより、2027年までに総賃貸可能面積を100万平方メートルまで拡大するという中長期的な目標に向けて、着実に歩みを進めています。両社の業績は堅調に推移しており、今回の戦略的な資産拡大が投資家への還元をさらに加速させることが期待されています。

【総評】 :

本件は、メガワールドが掲げる大規模な資産注入計画の重要な一環であり、MREITの成長性を一段と高めるポジティブな動きと言えます。オフィス偏重のポートフォリオによるリスクは残るものの、今後は商業施設の編入によって収益源の分散が進むことが予想されます。安定した賃貸需要が見込める優良エリアを軸に、配当重視の投資家にとって魅力的なREITへと進化を続けています。

https://www.bworldonline.com/corporate/2025/12/19/719960/mreit-to-acquire-p16-22-b-office-towers-in-taguig-via-share-swap/

家村 均