2026年フィリピンREIT市場の展望:利下げとインフレ抑制が導く慎重な反発
ニュース記事
2026年のフィリピンにおける不動産投資信託(REIT)市場は、金融政策の転換と物価の安定を背景に、慎重ながらも明るい兆しが見え始めています。市場アナリストたちの予測によれば、フィリピン中央銀行(BSP)による段階的な利下げと、インフレ率が目標範囲内(2~4%)で推移することが、REIT銘柄にとって強力な追い風になる見通しです。
これまでREIT市場は、高金利環境下で厳しい状況に置かれてきました。金利が高い時期には、固定利回り資産としての魅力が相対的に低下し、借入コストの増大が分配金の圧迫要因となるためです。しかし、2025年にかけて利下げサイクルが本格化すれば、債券などの他の金融商品と比較してREITの配当利回りの魅力が再び高まります。
また、インフレの沈静化も重要な要素です。インフレが落ち着くことで、不動産の維持管理コストや運営費用が安定し、テナント側の賃料支払い能力も維持されます。特に小売(リテール)分野や物流施設などを組み入れたREITにとっては、消費者の購買意欲が維持されることが、空室率の低下や賃料の底上げに直結します。
ただし、楽観論一色というわけではありません。アナリストたちは「慎重な強含み」という言葉を使い、リスクについても警鐘を鳴らしています。特にオフィス用不動産においては、依然としてハイブリッドワークの普及やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界の需要変動、さらには一部地域での供給過剰という課題が残っています。そのため、全てのREIT銘柄が一律に上昇するのではなく、優良な資産ポートフォリオを持ち、高い入居率を維持できている銘柄に資金が集中する「二極化」が進むと考えられます。
さらに、世界的な経済情勢の不透明感や、地政学的なリスクも無視できません。フィリピン国内の政策が追い風であっても、外部環境の急変が投資家心理を冷え込ませる可能性があります。また、利下げのペースが市場の期待よりも緩やかであった場合、REITの回復も限定的なものに留まる可能性があります。
総評:
2025年のフィリピンREIT市場は、過去数年の停滞期を脱し、回復に向けた新たなフェーズに入ると予想されます。利下げによる利回りの改善と、インフレ抑制による実体経済の安定という二つのエンジンが機能することで、投資家にとって再び魅力的な選択肢となるでしょう。ただし、物件の質やセクターごとの需給バランスを精査する、より選別的な投資姿勢が求められる一年になりそうです。
- 現実を直視する2026年フィリピン経済の展望:GDP下方修正と汚職の影を越える再構築の一年 - 01/05/2026
- 2026年フィリピンREIT市場の展望:利下げとインフレ抑制が導く慎重な反発 - 01/05/2026
- フィリピンのAI革命とインフラ改革:BPOの高度化、外資開放、そしてインド・ASEANとの覇権争い - 12/27/2025