フィリピン経済特区庁、投資承認額急減も2026年目標達成に強い意欲
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フィリピン経済特区庁(PEZA)は、2026年1月の投資承認額が前年同月比で57.4%減少するという厳しい滑り出しとなったものの、年間目標の達成に向けて強い自信を示しています。
PEZAは、国内の「経済特区(エコゾーン)」の指定や管理、入居する外資企業への税制優遇措置(インセンティブ)の提供を一手に担う政府機関です。特に日本企業との関係は深く、今回も日本が投資元として首位(約2億9,700万ペソ)に立つなど、同国の輸出産業を支える中核的な役割を果たしています。
1月に開催された今年最初の理事会で承認された新規プロジェクトは18件、総額は128億6,000万ペソにとどまりました。これは、前年同月の301億5,600万ペソの半分にも満たない数字です。しかし、テレシ・パンガ長官は、現状を投資家の「撤退」ではなく、戦略の見直しや規模の検討に伴う「慎重な調整期間」であると冷静に分析しています。
今回承認されたプロジェクトの内訳は、製造業が7件、エコゾーン開発が5件、IT・ビジネスプロセス管理(IT-BPM)が2件となっており、さらに物流や観光、ユーティリティ関連が含まれます。これらにより、約6,000万ドルの輸出創出と、国内で約1,000人の新規雇用が生まれる見込みです。特に注目すべきは、パラニャーケ市での50億ペソ規模の観光エコゾーン事業や、ミサミス・オクシデンタル州およびバタンガス州での計59億ペソに及ぶ開発計画といった大型案件が、投資の柱となっている点です。
地域的な広がりも特徴的で、投資先はカビテやラグナといった伝統的な拠点だけでなく、セブ、カマリネス・スール、ゼネラル・サントスなど、フィリピン全土の多岐にわたる地域に分散しています。これにより、特定の都市部に偏らない包括的な経済成長が期待されています。また、国別の投資元としては日本が約2億9,700万ペソで首位となり、オランダ、香港、シンガポール、中国がそれに続く形となりました。日本企業による継続的な投資が、フィリピン経済の安定性を支えていると言えます。
専門家からも、PEZAの3,000億ペソという年間目標は依然として達成可能であるとの見方が出ています。昨年の好調な実績に加え、法人税等の優遇措置を定めた「CREATE法」や、その機能を強化する「CREATE MORE法」といった法整備が投資家への追い風となっています。ガバナンスの向上やビジネスコストの削減がさらに進めば、投資家の信頼はより確固たるものになるでしょう。PEZAは、世界的な不透明感の中でもフィリピンのファンダメンタルズが安定していることを強調し、今後も積極的な投資誘致を継続していく構えです。
総評:
年初の数字こそ前年を大きく下回りましたが、内容を精査すると大型案件や地方への分散投資など、質の高いプロジェクトが着実に進んでいる印象を受けます。特に日本が投資元として首位を維持している点は、両国の経済的絆の強さを改めて物語っています。今後の目標達成は、待機案件がいかに迅速に具体化されるか、そして政府がどれだけ事業環境の改善を徹底できるかにかかっていると言えるでしょう。
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