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フィリピン・米国鉱物協力協定:鉱業の産業化による経済構造転換への序章

ニュース記事

2026年2月4日、フィリピンのロティラ環境天然資源省長官とアメリカのヘルベルグ国務次官補は、ワシントンで開催された米国主催の「2026年重要鉱物閣僚会議」の開催を機に、重要鉱物・レアアース産業での協力に関する覚書に署名しました。この協力枠組みは、フィリピンの鉱物資源産業を従来の単なる原鉱石輸出国から、鉱物の下流加工・付加価値化を担う産業国へと転換させることを目的としています。

フィリピンは世界第2位のニッケル生産国であり、推定1700億ドルの巨大なニッケル埋蔵量を有しています。しかし、現状では大部分が粗鉱石のまま輸出されており、加工・精錬による付加価値の創出が十分に行われていません。本協力協定はこの構造的な課題に直結したもので、フィリピン政府が鉱業規制の合理化、下流加工施設への投資促進、労働力の育成という政策基盤を整備する中で、米国との連携によって国内処理能力の拡大と国際サプライチェーンへの統合を加速させようとする戦略的な取り組みです。

電気自動車、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギー産業において、ニッケルやコバルト、レアアースなどの重要鉱物の需要は急速に拡大しています。米国はこれまでのように中国に依存する供給構造を避け、日本、豪州、南米など信頼できるパートナー国との協力体制を構築することで、技術強国としての競争力を維持しようとしています。フィリピンはこの地政学的な転換の中で、戦略的に重要な位置付けを得ることになります。

フィリピンの主要な上場鉱山企業の中でも、特にニッケル・アジア(NIKL)は、同国最大級の鉱山開発企業として本協力協定から最も直接的な恩恵を受ける可能性があります。同社はフィリピン株式市場における時価総額上位25社の地位を目指し、ESG投資として認識されるための経営戦略を推進中です。また、フィレックス・マイニング(PSE上場)も、銅・金採掘事業に加えて加工・精錬分野での事業拡大を視野に入れている企業です。これら大手企業は、今後の投資フレームワークの具体化、米国との融資スキームの活用、そしてアジア太平洋地域のサプライチェーンにおける重要な一角としての地位確保により、株価上昇と収益拡大を期待できる状況が整いつつあります。

本協力協定は、フィリピンが単なる資源国から資源加工国への構造転換を遂行する上での重要なマイルストーンとなります。ただし、実現には投資フレームワークの明確化、環境規制と経済成長のバランス、地域コミュニティとの共生という課題の解決が必要です。中長期的には、フィリピンの鉱業企業、特に国際的な資本力と技術を有する大型企業が、下流産業への統合を通じて世界的な価値創造の一翼を担う可能性は十分にあり、それが株式市場での評価向上につながると考えられます。米国との戦略的パートナーシップは、フィリピン鉱業セクターにおける長期的な成長機会を象徴する重要な政策シグナルといえるでしょう。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20260211のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントや考えを加えたのです。

本コラムは、上記リンクのニュース記事の内容をベースに、筆者の見方、コメントなどを加えたものです。

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家村 均