プレキャスト工法で建設業の未来を拓く―比大手ゼネコン・メガワイド社の戦略的増設
ニュース記事
フィリピンの建設・インフラ大手、メガワイド・コンストラクション(Megawide Construction Corp.)が、建設プロセスの効率化とコスト削減を目指し、プレキャスト工場の増設という野心的な計画を打ち出しました。同社は現在、ブラカン州パンディにフィリピン国内最大級のプレキャスト工場を保有していますが、さらなる需要増に対応するため、今年中にルソン島内、特に南部のカビテ州周辺に新たな拠点を設ける検討を進めています。
この戦略の背景には、同社の不動産部門であるPH1ワールド・デベロッパーズ(PH1 World Developers, Inc.)が手がける住宅プロジェクトの急速な拡大があります。特にカビテ州で展開されている「ワン・ランカスター・パーク(One Lancaster Park)」などの大規模開発において、プレキャスト工法の導入は不可欠な要素となっています。プレキャスト工法とは、建物の柱や梁、壁などの部材をあらかじめ工場で製造し、現場で組み立てる手法です。これにより、従来の現場打ちコンクリート工法に比べて工期を大幅に短縮できるだけでなく、現場での廃材削減や品質の均一化が可能になります。
メガワイドのエドガー・B・サアベドラ会長兼最高経営責任者は、プレキャスト技術への投資が、同社の建設事業における競争力の源泉であると強調しています。新しい工場の設置により、物流コストを抑えつつ、PH1のプロジェクトへ迅速に部材を供給する体制が整います。さらに、自社プロジェクトだけでなく、外部のインフラ事業や住宅開発からの受注も視野に入れており、建設業界全体のモダナイゼーション(近代化)を牽引する構えです。
同社はまた、プレキャスト部材の標準化を進めることで、さらなる規模の経済を追求しています。設計段階からプレキャスト利用を前提とすることで、無駄を削ぎ落とし、フィリピン市場において切実な課題となっている「手頃な価格の住宅供給」を加速させることが期待されています。人件費の上昇や材料価格の変動が激しい昨今の経済状況下において、工場生産による効率化は、企業の利益率を守るための極めて合理的な選択と言えるでしょう。
親会社のメガワイドによるこのインフラ支援体制は、不動産部門であるPH1の成長を支える強力な「武器」となります。建設と不動産開発の垂直統合を深めることで、同社グループはフィリピンの都市開発において、より強固な地位を築こうとしています。
総評
メガワイド社によるプレキャスト工場の増設は、単なる生産能力の拡大に留まらず、建設現場の「工業化」を一段と進める重要な一手です。これにより、PH1ワールド・デベロッパーズの物件は供給スピードと品質の両面で市場優位性を高めることになるでしょう。持続可能な建設手法を追求する同社の姿勢は、今後のフィリピンの住宅・インフラ市場における標準モデルとなる可能性を秘めています。
https://www.bworldonline.com/corporate/2026/02/17/730935/megawide-plans-additional-precast-plants
- プレキャスト工法で建設業の未来を拓く―比大手ゼネコン・メガワイド社の戦略的増設 - 02/19/2026
- 市場の逆風を跳ね返す不動産デベ・PH1ワールドの躍進と次なる挑戦 - 02/19/2026
- フィリピン不動産市場におけるOFW(海外労働者)の重要性と堅実な投資機会 - 02/15/2026