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太陽光発電が牽引する日本の商社も出資するインフラ企業MPICの巨大投資戦略

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フィリピンのインフラ大手であるメトロ・パシフィック・インベストメンツ(MPIC)は、2026年の設備投資(CAPEX)として2,000億ペソ(約5,400億円)を超える予算を投じる方針を明らかにしました。これは2025年に予定されている1,160億ペソという巨額投資から、さらにおよそ2倍へと拡大させる非常に攻撃的な計画です。この大規模な資金投入の主役となるのは、同社傘下の配電最大手、マニラ電力(メラルコ)が進める太陽光発電プロジェクトです。

現在、メラルコは、ヌエヴァ・エシハ州とブラカン州にまたがる「テラ・ソーラー(MTerra Solar)」プロジェクトを推進しています。これは2,000億ペソ規模の予算を投じる巨大な統合型太陽光発電施設であり、2026年の投資額の大部分はこの施設の完成に向けたものとなります。フィリピン政府が推進する再生可能エネルギーへの移行を背景に、同社はエネルギー供給の柱をクリーンエネルギーへとシフトさせる決意を鮮明にしています。

一方で、この野心的な計画には慎重な側面も見られます。MPICの幹部は、2026年の投資計画はすでに昨年承認されているものの、昨今の地政学的な不確実性、特に中東情勢の影響を考慮して内容を再検討する可能性があると言及しました。マニュエル・V・パンギリナン会長兼CEOも、イランを巡る情勢など、世界的な経済動向やトレンドの変化を注視し、必要に応じて予算の更新を行うべきだとの考えを示しています。現時点では計画の中止などは行われていませんが、外部環境の変化に柔軟に対応する構えです。

同社の直近の業績は非常に堅調です。2025年の連結中核純利益は、前年比15%増の271億ペソに達しました。電力、水道、有料道路、ヘルスケアといった主要事業が軒並み好調で、特に電力事業はグループ全体の営業利益の約7割を占める最大の稼ぎ頭となっています。メラルコ自体の純利益も、電力販売の増加や発電効率の向上により、12%増の506億ペソを記録しました。また、マイニラッド・ウォーター・サービスによる水道事業や、メトロ・パシフィック・トールウェイズ(MPTC)による有料道路事業も、料金改定や交通量の増加を受けて大幅な増益を達成しています。

パンギリナン氏は、これらの業績が信頼性の高いインフラに対する安定した需要の結果であると評価しています。電力や水、交通、医療といった人々の生活に直結するエッセンシャル・サービス(不可欠なサービス)の提供能力を向上させることが、同社の成長の源泉となっています。MPICは今後、2026年の大規模投資を通じて、従来の化石燃料に依存した構造から、太陽光を中心とした持続可能なエネルギー構造への脱皮を加速させる見込みです。地政学的なリスクという懸念材料はあるものの、フィリピンの経済成長を支える屋台骨として、その投資規模と戦略の行方に大きな注目が集まっています。

総評

MPICが掲げる2,000億ペソ超の投資計画は、フィリピンのエネルギー転換に向けた強い意志を感じさせるものです。特にテラ・ソーラー事業は、国内の電力不足解消と脱炭素化を同時に進めるための重要な鍵となるでしょう。地政学的リスクを考慮しつつも、インフラ需要を成長の糧とする同社の強固な経営基盤は、今後もフィリピン経済の牽引役として機能し続けると考えられます。

https://www.bworldonline.com/corporate/2026/03/24/738150/mpic-eyes-over-p200-b-capex-for-2026-on-meralco-solar-push/#google_vignette

本コラムは、上記リンクのニュース記事の内容をベースに、筆者の見方、コメントなどを加えたものです。

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家村 均