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制裁対象国からの石油調達へ 〜フィリピン、ワシントンと異例の協議〜

ニュース記事

中東紛争による燃料危機に直面したフィリピンが、異例の外交カードを切ろうとしています。フィリピンの駐米大使は、米国務省と協議を進め、米国の制裁対象国からの石油購入を可能にする免除・適用除外の取得に向けて取り組んでいると述べました。ベネズエラやイランからの輸入が議題に含まれるかとの問いには、「あらゆる選択肢を検討している」と答え、国務省の反応については「現在進行中」と述べるにとどめました。

背景にあるのは、フィリピンの著しいエネルギー調達の偏りです。同国は原油のほぼ全量を中東から輸入しており、最大の供給国はサウジアラビアです。この構造が、今回の紛争による供給不安と価格高騰への耐性を極めて低くしています。

マルコス大統領はテレビ演説で、45日分とされる現在の燃料備蓄が枯渇することはないと強調し、戦禍の影響を受けない新たな調達先を模索していると説明しました。また、今回の非常事態宣言は「予防的手段」であり、何が起きても対応できる態勢を整えるためのものだと述べ、国民にパニックにならないよう呼びかけました。

具体的な動きも出始めています。ロシア産ESPOクルード2船分が今月中にフィリピンへ向かっており、これは米国が発行した30日間の制裁免除を受けたもので、同国にとって5年ぶりのロシア産原油輸入となります。また、米国は3月20日以前に積み込まれ4月19日までに荷揚げされるイラン産石油の購入についても30日間の制裁免除を発行しました。

国内では対応策として、石炭火力発電の一時的な増強や、より安価ながら環境負荷の高いユーロII規格燃料の限定的使用を一時的に認めるなどの措置が取られています。

【総評】

フィリピンが制裁対象国への免除を米国に求めるという今回の動きは、エネルギー安全保障と外交的立場の両立という難題を端的に示しています。ロシア産・イラン産原油への回帰は短期的な危機回避としては現実的な選択肢ですが、米国との同盟関係や国際的なイメージを慎重に管理しながら進める必要があります。中東一辺倒だった調達構造の見直しを含む、エネルギー供給源の多角化こそが、今後フィリピンが取り組むべき最重要課題といえるでしょう。

https://www.bworldonline.com/top-stories/2026/03/25/738547/philippines-working-with-washington-to-obtain-oil-from-us-sanctioned-countries/

家村 均