フィリピンの建設業界、経済成長、国のインフラ建設、金利安で追い風
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2024年下半期、上場しているフィリピンの建設会社は、業界の回復と好調な経済状況を背景に業績の回復が期待されています。経済成長、政府のインフラ支出、金利安といった要因が、下半期の上場建設会社の収益性に影響を与えると見られています。
8月、フィリピン予算管理省(DBM)は、国のインフラ支出が6月に17%増加したことを発表しており、これは公共事業プロジェクトの進捗によるものです。
民間企業の設備投資に対する意欲が高まる中、建設活動がさらに加速する可能性があります。
2024年の第2四半期において、上場建設会社の業績はまちまちでした。Megawide Construction Corp.は、第2四半期の純利益が前年同期の3億7028万ペソから2億5866万ペソに30%減少し、売上高も前年同期比で8.4%減少しました。
一方、Phinma Corp.は、第2四半期の損失が前年同期の1861万ペソから2億5171万ペソに拡大しましたが、収益は20%増加しました。
EEI Corp.は第2四半期に黒字転換し、前年同期の2億5503万ペソの損失から5977万ペソの純利益を記録しました。収益も6.7%増加し、費用は5.1%減少しました。
さらに、フィリピン中央銀行(BSP)が利下げを示唆していることから、建設活動がさらに加速する可能性があります。BSP総裁のレモロナ氏は、10月と12月の会合で追加の利下げが行われる可能性を示唆しています。
中央銀行は2024年8月に4年ぶりの利下げを実施し、政策金利を6.5%から6.25%に引き下げました。この利下げサイクルが今後も続くと予想されています。
経済成長とインフレの低下に伴い、政府がインフラ支出を増やす可能性があり、特に公共インフラプロジェクトに関与する建設会社は大きな収益成長を期待できると見られています。
また、インフレの抑制により、鉄鋼、セメント、燃料といった原材料のコストが安定する可能性があり、建設会社がコスト管理を通じて利益率を改善する余地もあります。
2024年9月の消費者物価指数(CPI)の推定値は2.5%で、もしこれが実現すれば、前年同月の6.1%や2024年8月の3.3%を大きく下回ることになります。このようなインフレの減速が建設会社にとってコスト圧力の緩和につながり、収益性を向上させる要因となると考えられます。
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