GCashがABキャピタル証券へ50%出資
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グローブ・テレコム社（Globe Telecom, Inc.）は、子会社であるグローブ・フィンテック・イノベーションズ社（Mynt）を通じて、ABキャピタル証券（ABCSI）の株式を取得するための2つの投資トランシェを完了したと発表しました。2024年12月31日時点で、MyntはABCSIの株式の16%を保有していると、同社は月曜日に提出した規制書類で明らかにしました。
Myntは、電子ウォレットサービス「GCash」の親会社であり、2023年9月にABCSIと最大で株式の50%を取得するという正式な合意を締結しています。GCashは現在、9,400万人を超える登録ユーザーを抱えており、フィリピン国内のみならず海外にもサービスを展開しています。具体的には、アメリカ、イギリス、アラブ首長国連邦、オーストラリア、カナダ、ドイツ、香港、イタリア、日本、サウジアラビア、クウェート、カタール、シンガポール、韓国、スペイン、台湾といった16の市場で利用可能です。
GCashは、2025年で最も注目される新規株式公開（IPO）の一つとされており、グローブ社の社長兼最高経営責任者であるアーネスト・L・クー氏は、GCashのIPOが年末までに実施される可能性があり、評価額は80億米ドルに達する可能性があると述べています。
2024年の業績において、グローブ社はコア純利益を215億フィリピン・ペソと報告しており、これは2023年の189.2億ペソから14%の増加となります。この成長は、主に収益の増加によるものです。同社の総収益は1.65兆ペソで、前年の1.623兆ペソから2%の増加となりました。このうち、モバイル収益は4%増の1.167兆ペソとなり、収益全体を支えました。
さらに、同社のモバイル加入者数は前年同期比で7%増加し、6,090万人に達しました。加えて、モバイルデータ利用者は3%増の3,740万人となり、同社のデジタルサービスの拡大が進んでいることがうかがえます。
総評
グローブ社およびMyntによるABキャピタル証券への出資は、金融サービスのデジタル化とGCashの機能拡張を目的とした戦略的な動きです。GCashの利用拡大とIPOへの期待、そして堅調な収益成長により、グローブ社は今後もフィリピンおよび国際市場におけるデジタル経済の牽引役としての地位を強化していくことが期待されます。
慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。（約15年）
その後は、コンサルティングファーム（アクセンチュア・ユニシス）や投資ファンド（三菱UFJキャピタル）などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている。
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