ヴィラー財閥のディベロッパー・ヴィラ―ランドホールディングス誕生
ニュース記事
上場不動産開発会社のゴールデンMVホールディングスは、証券取引委員会(SEC)から社名変更の承認を受け、今後「ヴィラ―ランドホールディングス株式会社」として事業を展開することになりました。フィリピン証券取引所での銘柄コードを「VLC」に変更する予定です。
今回の社名変更は、同社の事業領域が拡大していることを反映させるためのものです。ゴールデンMVはこれまで、墓地用地や納骨堂施設の開発・販売に加え、住宅プロジェクトも手掛けてきましたが、近年の企業買収により事業基盤が大幅に広がっています。具体的には、ビラ―シティ内に所有する土地の買収が大きな転機となっています。
2023年9月には、アルソープランドホールディングス、チャルグローブプロパティーズ、ロスバラレスの3社を買収しました。これらの企業は合計で366ヘクタールのビラ―シティ内の優良土地を保有しており、ビラ―シティは実業家マニュエル・B・ヴィラ―・ジュニア氏の代表的なプロジェクトとして知られています。これらの買収により、同社はビラ―シティの開発に注力し、事業の多角化と拡大を図る方針です。社名変更は単なるブランドの刷新にとどまらず、今後の成長戦略を示す重要なステップと位置付けられています。
2024年の業績については、同社は純利益が前年の14億6,000万ペソから9,997億2,000万ペソへと飛躍的に増加しました。この大幅な利益増加は、主に保有不動産の公正価値の上昇によるものです。不動産投資資産の公正価値増加は2023年の5,900万ペソから2024年には1兆3,300億ペソへと膨れ上がりました。一方で、売上高は前年から25%減少し、35億8,000万ペソとなりました。住宅ユニットの販売減少が影響し、不動産販売収入も26%減の33億1,000万ペソとなっています。
総評
ゴールデンMVホールディングスの社名変更と事業再編は、同社が単なる不動産販売会社から、より広範な土地開発と都市開発を手掛ける企業へと進化しようとしていることを示しています。特に、ビラ―シティの大規模な土地取得と開発への注力は、同社の成長エンジンとなる可能性が高いです。利益の大幅増加は資産価値の上昇によるものであり、実際の売上減少という課題もありますが、今後の都市開発事業の進展により収益基盤の強化が期待されます。市場の反応も肯定的であり、今後の動向が注目される企業と言えるでしょう。
- SM Prime Holdingsオフィス事業を拡大 - 04/19/2025
- ヴィラー財閥のディベロッパー・ヴィラ―ランドホールディングス誕生 - 04/18/2025
- フィリピン証券取引所指数(PSEi)7,800ポイントまで上昇予想 - 04/16/2025