食品メーカーMONDE業績堅調
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Monde Nissin(証券コード:MONDE)は2025年第1四半期の決算において、売上高が前年同期比2.8%増の208億9,000万ペソとなりました。主力のAPAC BFB(アジア太平洋ブランド食品・飲料)事業は4.1%増の176億ペソと堅調に推移し、全体売上の84%を占めています。一方、ミートオルタナティブ事業は3.8%減の32億9,800万ペソとなり、依然として苦戦が続いています。
利益面では、コア純利益が29億ペソ(前年同期比1.5%増)と堅調で、アナリスト予想の25%に達し、通期計画に沿った進捗です。しかし、純利益は前年同期比21.5%減の22億7,000万ペソとなりました。これは主に原材料価格の上昇や一時的なコスト増によるものです。
カテゴリー別の動向を見ると、即席麺は4%減、ビスケットは13%増と好調で、SkyFlakesブランドがシェアを拡大しています。また、クッキングソースなどの調味料分野も拡大傾向にあり、今後の成長が期待されています。設備投資は主にビスケット工場の拡張に充てられています。
2025年通期の見通しについては、APAC BFB事業の売上高は中程度の一桁成長、利益率は前年並みを維持する計画です。ミートオルタナティブ事業もコスト削減効果の継続により、EBITDAベースで中程度の一桁成長を見込んでいます。原材料価格(パーム油、ココナッツオイル、小麦など)は足元で下落傾向にあり、今後数四半期で利益率の回復が期待されています。
株価は直近で10%近く急落しましたが、これは過剰反応との見方が強いです。特にQuornの事業価値は全体の3.4%に過ぎず、株価収益率(P/E)は10.5倍と過去3年平均の22.6倍に比べて大幅なディスカウント水準です。アナリストは、マージンの安定化やマクロ環境の改善、APAC BFBおよびミートオルタナティブ両事業の回復期待を背景に、ポジティブな見通しを維持しています。
総評として、Monde Nissinは短期的にはマージン圧迫や一部カテゴリーの減速が見られるものの、ビスケットや調味料分野の成長、原材料価格の低下による利益率改善が期待されます。株価は割安感が強く、今後の業績回復局面では評価見直しの余地が大きいと考えられます。全体として、2025年後半に向けて業績の底打ちと反転が見込まれる状況です。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の202505154のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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