フィリピン株式市場2025年の大型IPOは?
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フィリピン証券取引所(PSE)は、2025年の資金調達目標を1,700億ペソに引き上げました。これは前年の実績824億ペソや、当初目標の1,200億ペソを大きく上回る数字です。米中間の貿易戦争の緩和が市場に安心感を与えていることが背景にあります。現在までに424億ペソが調達されており、今後の大型IPOとして、マニラ西部の水道事業者メイニラッド社や、電子決済アプリ「GCash」を運営するG-Xchange社の上場が期待されています。GCashの親会社であるMyntには、グローブ・テレコム社が36%を出資しており、同社は市場の変動によりIPOのタイミングは未定としています。
一方、メイニラッド社は最新の目論見書に基づき、7月17日の上場を目指しています。同社は2027年1月までに株式の30%以上を公開することが法的に義務付けられています。こうした状況を踏まえて、PSEの資金調達目標は達成可能とみられています。また、米国市場の回復や貿易戦争の緩和により、IPOに適した時期とみられています。
さらに、PSEは債券市場の取引所であるフィリピン・ディーリング・システム・ホールディングス(PDS)の株式を最大97%まで増やすことを目指しています。現在、政府系金融機関である開発銀行(DBP)、土地銀行(Land Bank)、預金保険公社(PDIC)がPDSの一部株式を保有しており、これらの株式を取得するための交渉が進められています。この取引により市場の一体的運営が進むと見られています。
総評:
PSEは市場環境の好転を受けて資金調達の積極姿勢を強めており、複数の大型IPOが控えていることから目標達成の見通しは明るいです。GCashの上場動向やPDSの買収進展は、フィリピンの資本市場の構造改革にもつながる重要な動きといえます。政府系機関との連携や制度整備が今後の鍵を握ります。
https://www.bworldonline.com/top-stories/2025/05/19/673212/pse-hikes-capital-raising-goal-to-p170b
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