ジョリビーが韓国のフライドチキンチェーンを買収へ
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ジョリビー・フーズ(JFC)は、韓国のフライドチキンチェーン「ノラン・トンダク」を運営するNorang Food Co.の買収を目指し、覚書(MOU)を締結しました。今回の取引は、JFCの韓国子会社が主導し、デューデリジェンスは8月までに完了する予定です。
ノラン・トンダクは急成長を遂げているブランドで、店舗数は約219店から700店以上へと大幅に拡大し、2024年の売上高は約130億ウォン(約2,100万ドル)、営業利益は約120億ウォン(約900万ドル)を記録しました。これに基づくと、買収価格の想定は売上高に対して1.03倍、利益に対して8.7倍のバリュエーションとなり、同業他社(例:Yum! BrandsのPER約24倍、P/S約3倍)と比べて保守的かつ魅力的な水準と評価されています。
本買収は、JFCが掲げる「主要な国際市場でのプレゼンス拡大」と「グローバルなチキンカテゴリーへの注力」という戦略に合致しており、同社の長期的な成長の柱と位置付けられています。また、JFCは近年、同じく韓国で展開されている「コンポーズコーヒー」の買収(約1億ドル)も実施しており、韓国市場での存在感を着実に高めています。
契約完了(SPA)は年内が見込まれており、想定される評価額は約1,000億ウォン(7,500万~8,000万ドル)程度とされています。この買収によって、JFCは韓国での拠点をさらに強化し、高成長かつ収益性の高いクイックサービスレストラン(QSR)ブランドをポートフォリオに加えることになります。
なお、今回の買収による短期的な業績へのインパクトは限定的と見られていますが、長期的には国際成長戦略を後押しする要因となります。JFCの株式に対する投資判断(O/P)は維持されており、投資家にとって前向きな材料と受け止められています。
総評:
ノラン・トンダク買収は、JFCの韓国市場におけるプレゼンス拡大とチキン分野への注力という戦略と合致しています。バリュエーションも保守的で、収益性と成長性を兼ね備えた好案件と考えられます。短期的影響は軽微でも、長期的には同社の国際展開に大きく貢献する見込みです。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20250613のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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