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フィリピンの政府住宅金融機関・Pag-IBIG上期純利益280億ペソに拡大

ニュース記事

フィリピンの政府住宅金融機関であるホーム・ディベロップメント・ミューチュアル・ファンド(通称Pag-IBIG Fund)は、2025年上半期の純利益が前年同期比15.3%増の280億4000万ペソとなったと発表しました。背景には投資収益の大幅な伸びがあり、1~6月の投資収益は前年同期比51.8%増の42億7000万ペソに達しました。同社CEOは、今回の成果は勤労者の貯蓄を堅実に運用した結果であり、成長と住宅プログラムの両立を重視したことを強調しました。

同基金の総資産は6月末時点で1兆1400億ペソに拡大しており、その大半は住宅ローン8,695億ペソ、投資1,684億ペソ、短期ローン827億ペソで構成されています。その他、現金や不動産、設備などの資産は211億6000万ペソとなっています。

また、総投資ポートフォリオは前年同期比24.5%増の1,684億ペソとなり、会員の資金を守りつつ安定的に成長させていることを示しました。Pag-IBIG Fundは法律により純利益の70%以上を配当として会員に還元する義務があり、2024年には通常貯蓄に年率6.6%、改良版「MP2貯蓄」に年率7.1%を配当しており、これはパンデミック以降で最高水準でした。

総評

Pag-IBIG Fundの好調な上期業績は、住宅取得需要の底堅さに加え、金融環境の変化によってさらに追い風を受けています。特にフィリピン中央銀行(BSP)による利下げは住宅ローン金利の低下につながり、借入コストを抑えることで住宅購入を後押ししています。その結果、Pag-IBIGの住宅ローン残高は拡大を続け、不動産市場の活性化にも貢献しています。

同時に、投資収益の大幅な伸びにより純利益も拡大し、会員への高い配当還元を可能にしています。利下げ局面では投資収益率の低下が懸念される一方、住宅ローン需要の増加が収益基盤を支えるため、安定的な成長が期待されます。資産総額が1兆ペソを超える規模に達していることも、金融機関としての信頼性を一層高めています。

総じて、住宅需要の強さとBSPの金融緩和は相互に作用し、Pag-IBIG Fundの事業拡大に有利な環境を整えています。今後も住宅市場の拡大と会員還元の両立を実現する存在として、同基金の役割はますます重要になると考えられます。

https://www.philstar.com/business/2025/08/19/2466433/pag-ibig-earnings-grow-p28-billion-h1

家村 均