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マイニング(鉱業)税制改革 注銘柄は?

ニュース記事

フィリピンの鉱業セクターは、画期的な財政改革と金価格の高騰という二つの追い風に直面しています。マルコス大統領は、長らく課題とされてきた鉱業税制を刷新する「大規模鉱業のための強化された財政制度法」に署名しました。この法律は、今後数年間で250億ペソの追加歳入を生み出すと予測されており、フィリピンの鉱業をより安定、透明、そして国際的に競争力のあるものに変革する「ゲームチェンジャー」として期待されています。

新法は、数十年前の古い税制に代わるもので、漸進的なロイヤルティ制度、利益に対する課税(ウィンドフォール税)、そしてより厳格な情報開示規則の導入を通じて、財政の枠組みを刷新します。これにより、投資家にとっての透明性が高まり、フィリピンの鉱業セクターは世界の基準と一致し、透明性と競争力を向上させます。また、州歳入の40%が鉱山をホストする地方自治体に分配され、さらに10%が鉱山・地球科学局(MGB)と鉱物資源開発公社(MRDC)に配分されることで、地域社会と政府機関への利益還元が強化されます。

この法律の制定と時を同じくして、世界の金価格は過去最高値を更新しました。これは主に、米ドルの弱含み、金融緩和への期待、そして地政学的なリスクの継続による安全資産への需要増が背景にあります。金価格の高騰は、金鉱山を運営する企業のキャッシュフローを直接的に押し上げ、収益性を向上させます。

フィリピンの鉱業企業の中で、この新しい法律の恩恵を最も受けると考えられるのが、大規模な事業を展開するニッケル・アジア(NIKL)です。一方、セミララ・マイニング(SCC)は、財政フローの改善と広範な経済的勢いを通じて間接的に利益を得ると見られています。また、金価格の高騰という側面からは、アペックス・マイニング(APX)とフィレックス・マイニング(PX)が、金価格の恩恵を直接受ける企業です。

これらの複合的なテーマに基づくと、投資家にとっての中心的な銘柄は、セミララとニッケル・アジアであり、これに加えて、金価格の上昇を狙う投資家にとっては、アペックスとフィレックスとなります。

総評

フィリピンの鉱業セクターは、財政改革と金価格高騰という二つの強力な要素によって、新たな成長局面に突入しています。新法は業界の持続可能性と競争力を高め、金価格の上昇は企業の収益性を直接的に押し上げます。これらの要因が相まって、フィリピンの鉱業関連株、特にニッケル・アジアやセミララ、そして金関連企業であるアペックスやフィレックスは、今後注目すべき投資対象となるでしょう。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20251004のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントを加えたのです。

家村 均