GCashの株式分割をSECが承認 〜IPOに向けた重要な一歩〜
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GCashを運営するGlobe Fintech Innovations, Inc.(Mynt)は、フィリピン証券取引委員会(SEC)から株式分割の承認を取得しました。これは、同社が長年計画している新規株式公開(IPO)に向けた重要な一歩と見なされています。
今回のSECの承認により、Myntは授権資本金21.5億ペソを維持しつつ、普通株を1株あたり3センターボで716.6億株に増加させることが可能となります。株式分割は、会社の資本金総額を変えずに発行済み株式数を増やすことで、結果的に1株あたりの価格を下げ、市場における流動性を高める効果があります。これは、公開企業としての市場基準に構造を合わせるため、上場を計画している企業が一般的に採用する慣行です。
分割によって1株あたりの価格が手頃になることで、特にGCashの巨大なユーザーベースを持つ一般投資家が上場時に株を購入しやすくなります。グローブ社とアヤラ社は、市場環境が好ましいタイミングでGCashを上場させるべく構造改革を行っていると見られ、今回の資本基盤の再構築は、「東南アジアで最も重要なフィンテック上場の一つとなる可能性のあるIPOに向けて、価値を解き放ち、アクセスを向上させる明確な意図」を示すものだと評価されています。
市場状況が安定していれば、2026年初頭にIPOが実施される可能性が高まっています。Myntは、グローブ社、アヤラ社、そしてシンガポールに本社を置くデジタル決済・フィンテック企業アント・インターナショナルとの戦略的パートナーシップにより運営されています。GCashは現在、米国、英国、日本、シンガポール、台湾などを含む少なくとも16の市場で9,400万人の登録ユーザーを抱えています。
また、本件に関連して、情報通信技術省のサイバー犯罪調査・調整センター(CICC)は、GCashの運営会社G-Xchange, Inc.に関わるデータ漏洩疑惑について、同社のシステムが原因ではないとの見解を改めて示しました。調査の結果、GCashのシステムからのデータ漏洩は確認されておらず、同社のインフラストラクチャの安全性が保たれていることが強調されています。
総評:
今回のSECによる株式分割承認は、GCashの長年のIPO計画を具体化させる大きな進展です。これにより株式の流動性と手頃さが向上し、同社が狙う一般投資家の幅広い参加が可能となります。市場環境が整えば、2026年初頭にも東南アジア有数のフィンテック企業のIPOが実現する公算が高まっています。
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