フィリピン証券取引所における指数構成銘柄のリバランスと今後の市場動向
ニュース記事
フィリピン証券取引所(PSE)は、主要株価指数であるPSEi(フィリピン総合指数)の定期的なリバランシング(銘柄入れ替え)を、2026年2月2日より実施することを発表しました。今回の改訂では、主要指数であるPSEiにRLCコマーシャル・リート(RCR)が新たに採用される一方で、アライアンス・グローバル・グループ(AGI)が除外されることになりました。また、中型株指数(MidCap)においても動きがあり、PSEiから外れたAGIとアペックス・マイニング(APX)が新たに追加され、代わりにRCRとダブルドラゴン(DD)が除外されます。
今回の銘柄入れ替えは、現在の株式市場が、より高い配当利回りと流動性を備えた銘柄を志向する「ローテーション」の動きを鮮明に反映したものと言えます。RCRの採用は、浮動株比率の安定性と高い取引頻度を重視する現行のPSEルールに合致しており、投資家が安定的かつ流動性の高い資産を求めている現状を裏付けています。特にRCRのようなリート銘柄の採用は、受動的なインデックス・ファンドからの資金流入(パッシブ流入)を促すだけでなく、拡大を続けるフィリピンのリート市場全体の存在感を高めるポジティブな要因となるでしょう。
しかし、投資家がより注目すべきは、今回の入れ替えそのものよりも、今後予定されているPSEのインデックス算出ルールの抜本的な見直しです。現在、浮動株比率や流動性要件をさらに厳格化する案が検討されており、この新ルールが導入されれば、指数の構成はこれまで以上に劇的な変化を遂げる可能性があります。現時点では導入の具体的なタイムラインは示されていませんが、時価総額や浮動株比率をより重視する方向への転換は、高配当かつ浮動株比率の高い「不動産」「電力」「一部のリート銘柄」にとって追い風となることが予想されます。
投資戦略としては、目先のパッシブ流入によるRCRの株価上昇を注視しつつ、中長期的なルールの変更に備えることが肝要です。市場は着実に、企業の規模だけでなく「質の高い流動性」と「株主への還元力」を評価するフェーズへと移行しています。
総評
今回のリバランシングは、フィリピン市場がより高利回りで流動性の高い銘柄を重視していることを示す象徴的な出来事です。特にリート銘柄の存在感が増している点は、安定収益を求める投資家にとって重要な指標となるでしょう。今後は取引所によるルール改定の動向を注視し、制度変化がもたらすセクター別の恩恵を見極める冷静な判断が求められます。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20260127のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントを加えたのです。
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