フィリピン国営ファンド・マハリカ基金のNGCP投資で加速するフィリピン電力網の強化
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フィリピンの国家電力公社(NGCP)は、本年度に7つの送電プロジェクトに総額185億ペソを投じる計画を発表しました。500キロボルトおよび230キロボルト基幹ネットワークの大規模なアップグレードが含まれます。これを支援するため、フィリピン政府のマハリカ・インベストメント・コーポレーション(MIC)が2025年1月にNGCPへ初の大型投資を実行しました。
MICはSGPを経由してNGCPの20パーセント相当の株式取得に197億ペソを投資することを決定しました。投資資金は優先株式に充当され、最初の3年間は年6.5パーセント以上の配当利回りが保証されます。その後、優先株式を普通株式に転換する権利が付与される予定です。政府資本の流入により、NGCPの設備投資能力が強化されることが期待されます。
用地取得と許認可手続きに関する課題が存在する一方で、経営陣は2026年内の主要プロジェクト通電を見込んでいます。政府が経営層に参画することで、規制当局との調整がより円滑に進む可能性が高まります。
投資家の観点からは、資本支出計画は規制対象資産ベースの拡大につながり、中期的な収益性向上を示唆しています。ただし、規制制度における費用回収のタイミング問題から、短期的には利益増加がやや遅れる可能性があります。しかし、政府資本による事業リスク軽減が期待できます。
グリッド拡張により送電網の混雑緩和と信頼性向上が実現し、再生可能エネルギー統合が促進されます。フィリピンは2030年までに再生可能エネルギー35パーセント、2050年までに50パーセントを目指す中、強固な送電インフラが不可欠です。政府投資により国家安全保障上重要な送電インフラの主導権確保と、民間企業利益との対立緩和が期待できます。上昇要因としては予想以上に速いプロジェクト通電実現と許認可迅速化が挙げられます。下降リスクとしては許認可遅延と規制面での再評価が懸念されます。政府支援と民間企業経営効率のバランスが、NGCPの持続的な価値創造の鍵となりす。投資家はSGP経由でNGCPの成長機会に投資可能です。
総評:
NGCPの185億ペソ拡張投資とマハリカ基金の197億ペソ資本投入は、フィリピン電力セクター基盤強化の重要施策です。政府直接投資を通じた採算性と公益性の相乗効果が注目されます。規制制度による近期的な利益増加の遅れが懸念される一方で、政府資本流入により事業リスク軽減と中期的な収益基盤拡大が期待されます。許認可手続きと用地取得が迅速化されれば、早期のプロジェクト完成と上振れシナリオの実現が見込まれます。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20260213のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントや考えを加えたのです。
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