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フィリピン不動産市場におけるOFW(海外労働者)の重要性と堅実な投資機会

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フィリピンの不動産市場において、海外労働者(OFW)は単なる購買層ではなく、市場全体を支える極めて重要な柱となっています。同国には世界中210カ国に約1,080万人のフィリピン系海外居住者が存在し、2024年の送金額は345億ドルに達しました。これはフィリピンのGDPの7.5%に相当する膨大な資金であり、この安定的で継続的な資金流入は、フィリピン経済全体の強固な基盤となっています。

ちなみに、この1,080万人という数字は、Commission on Filipino Overseas(CFO)というOFWを管轄するフィリピンの政府機関が発表した海外に定着したフィリピン系住民全体を示しています。これに対し、一般的に報道される250万人程度という数字は、現在実際に就労しているアクティブなOFWを指す傾向があります。永住者、一時的労働者を含めた広い概念と、現役労働者に限定した狭い概念の違いであり、不動産市場の実際の購買力を評価する際には、この点の区別が重要です。

OFWの職種構成を見ると、極めて興味深い特徴が浮かび上がります。フィリピンからの海外労働者の大部分は、看護師、介護職員、船員、医療技術者といったエッセンシャルワーカーに従事しています。これらの職種は景気変動に左右されにくい本質的な需要があり、先進国の経済状況がどうであれ、その職業としての需要は維持されるのです。特に日本を含むアジアの先進国、さらに米国やカナダでも、高齢化社会の進展に伴い深刻な労働者不足に直面しており、フィリピン人労働者への依存度はむしろ高まっています。

注目すべき点は、これらの送金の約60%が直接または間接的に不動産セクターに流入していることです。フィリピンの大手デベロッパーが積極的にOFW層をターゲットにしているのは、この安定した需要と成長の可能性を見込んだ戦略と言えます。

不動産投資家にとって魅力的な点は、米国(46.78%)とカナダ(29.79%)からのOFWが送金全体の7割以上を占めており、先進国の経済基盤がしっかりしていることです。これらの地域の経済的安定性は、OFWの雇用継続と送金の持続可能性を強く示唆しています。さらに重要なのは、OFWの大多数が看護師や船員といったエッセンシャルワーカーであることから、経済不況時の失業リスクが相対的に低いという点です。建設労働者やサービス業従事者であれば景気悪化に敏感ですが、医療や海運といった必須産業に従事するOFWは、より安定した雇用保障を享受しているのです。

さらに、先進国全体が直面する人口高齢化と労働者不足は、フィリピン人労働者にとって長期的な雇用機会の拡大を意味しています。日本の介護職員不足、米国の医療従事者不足、カナダの看護師不足といった構造的な課題が現存しています。そして、これらの国々はフィリピンを含む発展途上国からの労働者導入政策をより積極化させる傾向が強まっています。これは、OFWの雇用と送金の長期的な安定性を強く支持する材料となるのです。

ただし、投資家が留意すべき新たなリスク要因も出現しています。特に米国を念頭に置く必要があります。2025年に発足したトランプ政権は移民制限政策を重視し、ビザ政策の厳格化や外国人労働者の受け入れ制限といった施策の強化を行っています。OFWの46.78%が米国に集中していることを考えると、移民政策の急激な変化は米国在住OFWの雇用と送金に直接的な影響を与える可能性があります。ただし、医療従事者や船員といったエッセンシャルワーカーの場合、業界の労働力不足が深刻であることから、政策面での制限があったとしても、職業的な需要により排除は難しいと考えられます。

送金成長率自体は鈍化傾向にあり、一見ネガティブに見えるかもしれませんが、より慎重に分析する必要があります。確かに、1990年代の年平均25%から現在は5%未満に低下しています。しかし、この成長率の低下の一因は、送金額の分母が既に345億ドルという巨大な規模に達していることによる数学的な減少です。分母が大きくなれば、同じドル額の増加でも成長率は自動的に低くなります。さらに先進国経済の減速や政策不確実性といった外部要因がある一方で、2025年の第一四半期から十月における送金額は前年同期比3.2%増と、依然として堅調な増加を続けています。

市場セグメント別では、月間返済額がPHP10,500程度の中堅コンドミニアム層がOFWの主要ターゲットとなっており、この層は安定した雇用と一定レベルの可処分所得を持つ層です。エッセンシャルワーカーとしての職業的安定性は、銀行の住宅ローン審査においても有利に働き、ローン取得能力を高めています。

投資家にとって重要なのは、OFW送金の安定性と継続性です。これは単なる一時的な現象ではなく、構造的かつ持続可能な需要源となっています。エッセンシャルワーカーという職業の本質、先進国における深刻な労働力不足、そして長期化する高齢化社会といった構造的要因が組み合わさることで、フィリピンのOFWからの送金は今後も安定的に続くと予想されます。

フィリピンの不動産市場は、OFWという確実で安定した需要層に支えられた、アジア太平洋地域における有望な投資機会として位置付けられるでしょう。

https://www.globalpropertyguide.com/asia/philippines/price-history

家村 均