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OFW送金減速でも底堅さ維持、消費関連株は「量」より「値決め力」に注目

ニュース記事

2月の海外送金は前月比7.7%減の27.9億ドルとなり、過去9カ月で最も低い水準となりました。前年比の伸び率も2.6%に鈍化しており、足元ではやや勢いが弱まっています。ただし、年初来ではなお3.1%増を維持しており、送金全体の拡大基調が崩れたわけではありません。今回の減少は、年初特有の季節性に加え、海外で働く労働者の生活コスト上昇が家計の余力を圧迫していることが背景にあるとみられます。つまり、労働需要の急減というより、送金に回せる可処分所得がやや細っている構図です。

このため、海外送金は引き続き国内経済の下支え要因ではあるものの、これまでのように個人消費を強く押し上げる局面からはやや変化しつつあります。今後は世界的なインフレ圧力や原油価格の高止まり、受け入れ国での景気減速が進めば、送金の伸びは2〜3%程度にとどまる可能性があります。とりわけ中東は全体の17%超を占める重要地域であり、地政学リスクや雇用環境の変化には注意が必要です。一方で、海外の労働需要が想定以上に強い場合や、自国通貨安が進んで送金インセンティブが高まる場合には、一定の下支えも期待できます。

株式市場では、この環境下で恩恵を受けやすいのは、販売数量の大幅増に依存せず、コスト上昇を価格に転嫁できる企業です。具体的には、生活必需品や食品、日用品、小売りの中でもブランド力や流通網を持つ企業が相対的に有望です。たとえばフィリピン市場であれば、食品・飲料大手のユニバーサル・ロビーナ、日用品や家庭用品に強いセンチュリー・パシフィック・フード、安定した生活消費を取り込めるSMインベストメンツやロビンソンズ・リテールなどは注目に値します。また、送金そのものが急減しているわけではないため、銀行株の中でも個人預金基盤が厚く、家計関連の資金循環の恩恵を受けやすいBDOユニバンクやバンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズも底堅さが意識されそうです。

一方で、販売数量の伸びを強く前提とする低価格大量販売型の企業や、家計の裁量支出に依存する分野は選別が必要です。送金の伸びが鈍る局面では、消費全体が急減しなくても、支出の中身がより慎重になるからです。今後は送金動向が個人消費、経常収支、通貨安定に与える影響を見極めながら、ディフェンシブかつ価格決定力のある銘柄を中心に見る姿勢が有効といえます。

総評

今回の送金減少は構造的な悪化というより一時的な減速とみられます。もっとも、家計を押し上げる力は以前ほど強くなく、株式投資では消費の「量」より「質」を重視すべき局面です。今後は外部環境次第で変動しやすいため、値決め力のある内需株を軸に慎重に選別する姿勢が重要です。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20260416のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントや考えを加えたのです。

家村 均