フィリピン株式市場、年初来で+15%、ASEAN地域内で最も好調な市場に
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フィリピン株式市場は、年初はASEAN地域内で最も低調な市場でしたが、現在では最も好調な市場となり、年初来で+15%の上昇を記録しています。フィリピン総合株価指数(PCOMP)は、6月の最安値から20%上昇しており、これは強気のシグナルと見なされています。また、8月15日にフィリピン中央銀行(BSP)が利下げを実施して以来、PCOMPは約11%上昇しています。
フィリピン中央銀行(BSP)利下げの恩恵を最も受けたのは銀行株で、市場を牽引しています。また、コンゴロマリット(財閥)や消費者関連株もキャッチアップを始めており、不動産セクターも一部でポジティブな反応が見られます。特にアヤラ財閥のAyala Landが注目されています。
さらに、7月以降、海外投資家の買いが増加しており、特にBSPの利下げ後には外国人買いが市場の主要銘柄のパフォーマンスに大きく貢献しています。そして、連日外国人の買い越しが続いていますが、外国人の保有比率は過去の水準と比べるとまだ低い状況です。
フィリピン株式市場全体の12カ月先のターゲットとして、アナリストのコンセンサスではフィリピン株価指数(PSEI)が8,319になると予測されています。
そして、銘柄ごとの上昇余地に関して、フィリピンの老舗証券会社・ABキャピタル証券では以下の見解を示しています。
年初来パフォーマンスが良好な銘柄で、さらなる上昇の余地がある銘柄として、Converge ICT Solutions (CNVRG:通信)、Monde Nissin (MONDE:食品)、GT Capital Holdings (GTCAP:財閥)、AC Energy (ACEN:再生エネルギー)、PLDT Inc. (TEL:通信)を挙げています。
年初来で出遅れているが、上昇の可能性が高い銘柄としては、JG Summit Holdings (JGS:財閥)、Aboitiz Equity Ventures (AEV:財閥)、Universal Robina Corporation (URC:食品)、Bloomberry Resorts (BLOOM:カジノ)、Wilcon Depot (WLCON:小売り)、SM Prime Holdings (SMPH:不動産)、Ayala Corporation (AC:財閥)、Jollibee Foods Corporation (JFC:外食)、Puregold Price Club (PGOLD:小売り)、SM Investments Corporation (SM:財閥) を挙げています。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20240924のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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