フィリピン政府、世界最大規模の太陽光発電および蓄電プロジェクトの建設開始を発表
ニュース記事
フィリピン政府は、2027年までに2000億ペソ規模の太陽光発電および蓄電プロジェクトの建設開始を発表しました。マルコス大統領は、Meralco Terra（MTerra）ソーラープロジェクトの起工式を主導しました。このプロジェクトは、3500メガワットピーク（MWp）の太陽光発電設備と4500メガワット時（MWh）の蓄電システムを備え、2027年までに稼働する予定で、完成後は世界最大の統合型太陽光発電および蓄電施設となる見込みです。
プロジェクトが完了すると、ルソン島の電力網に3500メガワットの電力を供給し、フィリピン国内の約240万世帯にクリーンエネルギーを提供する予定です。850MWの供給契約に基づき、マニラ電力会社（Meralco）を通じて20年間電力を供給する計画です。このプロジェクトは、SP New Energy Corp.（SPNEC）の子会社であるTerra Solar Philippines, Inc.によって開発されています。最初の600MWの供給は2026年2月に予定されており、残りの250MWは2027年に供給される見込みです。
マルコス大統領によると、このプロジェクトは年間430万トン以上の二酸化炭素排出を削減する効果が期待されており、これはガソリン車300万台を道路から取り除くことに相当します。これにより、気候変動対策への大きな貢献が見込まれています。また、エネルギー大臣のラファエル・ロティラ氏は、このプロジェクトがフィリピンの再生可能エネルギー比率を2030年までに35%、2040年までに50%に引き上げる目標の実現を加速させると強調しました。このプロジェクトはエネルギー省により「国家重要エネルギープロジェクト」と認定され、投資委員会(BOI)から「グリーンレーン認証」を受けており、許認可手続きが迅速化されています。
さらに、このプロジェクトでは500万枚の太陽光パネルが設置され、約1万人の雇用を創出すると見込まれています。これにより、地域経済の活性化が期待され、今後10年間で約230億ペソの経済利益が見込まれています。
このように、MTerraソーラープロジェクトはフィリピンの再生可能エネルギー分野の成長を象徴するものであり、国内のエネルギー転換を加速させ、持続可能な開発と経済成長に大きく貢献する重要なプロジェクトと位置づけられています。
慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。（約15年）
その後は、コンサルティングファーム（アクセンチュア・ユニシス）や投資ファンド（三菱UFJキャピタル）などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている。
- フィリピン政府、世界最大規模の太陽光発電および蓄電プロジェクトの建設開始を発表 - 11/26/2024
- トランプ政策のフィリピン経済への影響は？ - 11/26/2024
- フィリピンの再生可能エネルギー大手ACEN、発電容量を拡大する計画を発表 - 11/26/2024
