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セブ・パシフィック業績好調

ニュース記事

セブ・パシフィック(CEB)は、2024年第4四半期に力強い業績を記録しました。営業利益(EBIT)は前年同期比43.5%増の35億ペソとなり、旅客数の増加と付帯収入および貨物収入の伸びが貢献しました。

売上高は前年同期比28.1%増の304億ペソとなり、旅客数が31.7%増の700万人に達したことで、短距離路線の追加により平均運賃が6.3%下落した影響を相殺しました。収入の内訳としては、旅客運賃が全体の約73%を占め、付帯収入および貨物収入が残りの27%を構成しています。

国内線・国際線ともに旅客数は30%以上の成長を見せ、付帯収入は36.3%増の86億ペソ、貨物収入は51.3%増の16億ペソに拡大しました。利益率も改善し、これは燃料コストの低下が要因であり、再稼働した機材の保守費用の増加を打ち消す形となりました。

2025年第1四半期においてもCEBは好調を維持し、旅客数は前年同期比26.4%増の700万人となりました。国内線の旅客数は27.9%増の520万人、国際線は21.8%増の180万人となりました。例年、イースター休暇(ホーリーウィーク)の需要増が第1四半期の旅客数を押し上げる要因となっていますが、今年はイースターが第2四半期に入るため、今回の数字にはその影響が含まれていない点も注目されます。これは、年間を通じた需要の持続的な強さを示唆するものと考えられます。

今後の戦略として、CEBは機材の最適化に重きを置き、積極的な拡張から転換する方針を打ち出しています。2028年までの年間設備投資(Capex)は300~350億ペソに抑制される見込みで、2024年の水準のおよそ半分となります。2025年の航空機の純増はわずか2機にとどまる予定です。このように成長計画を抑制しつつも、CEBは国内市場における54.1%という高いシェアを維持しており、効率性の向上とスリム化された投資戦略によって中長期的な競争力を確保しようとしています。

なお、2025年第1四半期の旅客数は、季節的な傾向から見てやや上回っており、これは夏の繁忙期に向けた需要の勢いが続いていることを示しています。現在、セブ・パシフィックはアジア、オーストラリア、中東を含む37の国内、26の国際都市に就航しています。今年初めには、ホーチミン市とセブ間の直行便(2025年第2四半期開始予定)、クラーク拠点の拡大、イロイロとバンコク間の直行便など、複数の新路線の開設を発表しました。

総評

CEBは旅客需要の回復と戦略的な路線拡張、収益構造の多角化を背景に、収益性と市場シェアの両面で安定した成長を実現しています。今後は機材の最適活用とコスト効率の追求により、急速な拡大よりも持続可能な成長に重きを置いた経営を進めていく方針です。旺盛な旅客需要と効率的な運営体制により、今後も競争力のある航空会社としての地位を維持することが期待されます。負債の大きさには注意する必要があります。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20250422のWeekly Wrap Upの内容を要約したものです。

家村 均