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化学メーカーDNLバタンガス工場の稼働拡大・輸出増

ニュース記事

D&Lインダストリーズ(証券コード:DNL)は、2025年第1四半期において前年同期比で10%増となる6億8,100万ペソの経常利益を計上しました。この成長は、バタンガス工場の稼働拡大と輸出販売の力強さによるものです。

この利益水準は、ABキャピタルの年間予想の24%に相当し、おおむね計画通りの進捗といえます。特に輸出部門が際立った成績を見せ、売上は前年比で69%増加、粗利益も90%増という大幅な伸びを記録しました。

近年進めてきたバタンガス工場の拡張工事が一段落し、設備投資(Capex)は通常レベルへと戻りつつあります。これに伴い、資本効率も改善傾向にあります。自己資本利益率(ROE)は12.1%、投下資本利益率(ROIC)は10%となり、2024年通期実績と比べて上昇しました。こうした収益性の改善は、バタンガス工場の本格稼働により生産能力が強化され、より高付加価値な製品の提供が可能になったことが背景にあります。

同社は今後の成長戦略として、海外市場へのさらなる展開と新設工場による供給力の拡大を軸に据えています。新たな製造拠点が安定稼働し始めたことにより、今後数年間にわたって輸出拡大が持続すると期待されています。また、世界的な需要回復とともに、アジア圏や北米などの新興市場への販売機会も広がっており、同社はこれらを積極的に取り込む構えです。

2024年から2027年にかけての年平均成長率(CAGR)は18%を見込んでおり、この成長性を踏まえて、ABキャピタルは目標株価を1株あたり8.75ペソとし、投資判断を「アウトパフォーム」としています。

総評:D&Lインダストリーズは新工場の稼働により成長基盤を着実に強化しています。輸出販売が好調で収益性も改善しており、中長期的な成長見通しは明るいといえます。引き続き生産能力と海外展開の進捗が業績の鍵を握るでしょう。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20250513のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。

家村 均