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フィリピンとアラブ首長国連邦が包括的経済連携協定調印へ

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フィリピンとアラブ首長国連邦(UAE)との間で締結予定の包括的経済連携協定(CEPA)は、UAEの政府系ファンドからの投資を呼び込むための枠組みを提供するものとして期待されています。来月に署名予定のこの協定は、フィリピンにとって中東諸国との初めての自由貿易協定(FTA)となります。

フィリピンのUAE特使は、CEPAが歴史的な意義を持つと強調しました。すでにUAEの政府系ファンドや民間部門は、フィリピンへのプライベートエクイティ投資を積極的に行っており、今回のCEPAはこれらの投資を制度的に支える枠組みとなります。特にドバイはCEPAを重視しており、政府系ファンドのさらなる投資可能性を広げるものとして期待しています。

グローバルSWFのデータによれば、UAEが管理する政府系ファンドの規模は2025年5月時点で2兆3900億ドルに達しています。フィリピン側は、再生可能エネルギー、インフラ、物流、デジタルインフラ、高度農業といった分野での投資誘致を目指しています。

また、ドバイから17社の企業代表団がフィリピンを訪れ、農業、自動車、建設、人材サービス、ホスピタリティ、食品、工業用潤滑油、香水などの分野でのビジネス機会を模索しました。

さらに、このCEPAはフィリピンにとってGCC(湾岸協力会議)諸国との初のFTAでもあり、ドバイ経由で他のGCC諸国やアフリカへの市場アクセス拡大も期待されています。協定署名前から民間部門同士での商業的連携が進んでいる点もこのCEPAの特徴です。

ドバイ商工会議所(Dubai Chambers)は、すでにフィリピン企業のドバイ訪問団を来年に計画しており、CEPAによる二国間貿易の拡大とドバイからの投資促進を見込んでいます。過去4年間でドバイからフィリピンへの投資は1億9300万ドルに達しています。

フィリピンの有望な対ドバイ輸出品としては、革製品、自動車部品、肥料、平板鋼材、有機化学品、床材などが挙げられます。また、観光、農業、通信、物流、医療分野もUAE側から注目されています。

フィリピン商工会議所(PCCI)とドバイ商工会議所は、貿易促進と新たな協力分野の開拓を目的とした覚書(MOU)に署名しました。PCCI会長は、これは単なる形式的なものではなく、実際の貿易連携や投資機会、共同事業への道を開く戦略的枠組みであると述べました。PCCIは全国に3万5000を超える企業ネットワークを持ち、再エネ、イノベーション、農業ビジネス、インフラ、医療、テック系スタートアップなどの優先分野で連携を進める意向です。

また、フィリピンの対UAE輸出品は、電気機器、機械、食品、鋼材が中心であり、UAEからの輸入品には、鉱物性燃料、プラスチック、車両、金属が含まれます。マンギオ氏は、フィリピン産のハラール製品、トロピカルフルーツ、衣料品、高級消費財などにもUAE市場での大きな可能性があると強調しました。CEPAによって市場アクセスの拡大、輸出機会の増加、投資の流入が一層進むことに期待を寄せています。

総評:

フィリピンとUAEとのCEPAは、中東地域との新たな経済連携の扉を開く重要な枠組みです。協定前から進む民間の動きが実効性の高さを示しており、両国の経済協力が一段と深化することが期待されます。今後の協定発効とそれに伴う投資の拡大に注目が集まります。

https://www.bworldonline.com/top-stories/2025/05/28/675311/phl-eyes-more-investments-from-uae-sovereign-wealth-funds/

家村 均