マルコス政権再構築
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フィリピンのマルコス大統領は、政権の「大胆なリセット」の一環としてすべての閣僚に辞表の提出を求めたものの、大部分の閣僚を留任させる方針を示しました。農業、教育、労働、保健、社会福祉の各省の大臣を含む主要な閣僚がその職にとどまることとなり、これに加え、経済閣僚チーム、防衛、法務、内務自治の各省も継続して現体制が維持されます。ただし、追加で4人の閣僚の辞任が受理されたと報告されています。
今回の辞任要請は、5月12日の中間選挙でマルコス政権支持候補が振るわなかったことを受けたものであり、政権の再構築と信頼回復を目指す動きと見られています。
証券取引委員会(SEC)の委員長には、エミリオ・アキノ氏の退任に伴い、フランシスコ・エドラリン・リム氏が6月5日付で新たに任命されました。リム氏は企業法と証券法の専門家で、フィリピン証券取引所の元CEOを務めた経歴があります。投資家保護と市場の透明性に貢献した実績があり、大統領府は同氏の豊富な経験が金融セクターにおける信頼性、透明性、包括的成長を促進すると評価しています。
今回の閣僚人事は政策変更というより、マルコス大統領に対して「忠誠心が足りない」と見なされる人物の排除を意図した動きと見られています。特に副大統領のサラ・ドゥテルテ氏との対立が背景にあるとされ、ドゥテルテ派の影響力を排除する狙いがあると見られています。
さらに、運輸大臣のディゾン氏と情報通信技術大臣のアグダ氏は、大統領から辞任を拒否されたと述べました。ディゾン氏は議会の任命承認委員会で、マルコス政権任期内に都市交通プロジェクトの加速・完了を約束しており、特にユニファイド・グランド・セントラル・ステーションやMRT7号線の重要交通インフラ整備に注力する意向です。
総評:
マルコス大統領による内閣再編は政権基盤の強化と忠誠心の確認が主な目的であり、政策転換は見られません。人事刷新は今後も続く可能性があり、政治的な緊張を伴う展開が予想されます。経済・インフラ分野では継続性と安定が保たれていますが、政権の一体性が問われる局面となっています。
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