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最新:フィリピンの住宅需要の実態 by Colliers

ニュース記事

今般コリアーズが実施した住宅市場調査の結果は、いくつかの興味深い傾向を示しています。まず、コンドミニアムユニットへの選好度が向上している点が挙げられます。これは、不動産会社が提供する魅力的で革新的な「即入居可能(RFO)」物件のプロモーションが主な要因と考えられます。

RFOプロモーションは、購入者にとって魅力的な支払い条件やリース契約を提供しており、特にメトロマニラ内では2025年第1四半期時点で30,100戸ものRFOコンドミニアムが未販売であるため、デベロッパーがこれらのプロモーションを継続することが、垂直型住宅の需要を刺激する上で極めて重要であるとコリアーズは考えています。実際、同社の調査では、回答者の大半がメトロマニラ内外のコンドミニアムユニットを好むと回答しています。

しかし、同時に一戸建てや宅地のみの需要も引き続き堅調であり、これは郊外へのシフトを裏付けています。この傾向は、パンデミックによって強く浮き彫りになった「換気の良さ」や「緑豊かで開放的な空間」への嗜好が背景にあると考えられます。この嗜好は、オフィススペースと住宅の両方に当てはまる点が興味深い点です。

また、現代の住環境において不可欠な要素として、回答者の半数近くが「安定した電力システム」と「インターネット接続」を重視していることが明らかになりました。これは、リモートワークやハイブリッドワークが普及する中で、安定した自宅での作業環境が求められていることを示唆しています。

これらの調査結果を受けて、デベロッパーは今後の住宅開発において、いくつかの重要な点を考慮する必要があります。まず、RFOプロモーションの継続と、2025年以降も「型破りな」RFOプロモーションを実施することが期待されます。これは、市場の飽和を防ぎ、コンドミニアムへの需要を持続させるために不可欠です。

さらに、リモートワークに対応するため、デベロッパーは住宅ユニットにコワーキングスペースやビジネスアメニティを統合することを検討すべきです。これにより、自宅で働く従業員のニーズに応え、より魅力的な住環境を提供することができます。

総じて、現在の住宅市場は、コンドミニアムへの関心の高まりと郊外シフトという二つの異なるが共存するトレンドに特徴づけられています。デベロッパーは、RFOプロモーションの革新と、パンデミックが浮き彫りにした「換気」「緑地」「安定したインフラ」へのニーズ、そして「リモートワーク対応アメニティ」を統合することで、多様な購入者の需要に応える必要があります。これらの要素を戦略的に取り入れることが、今後の住宅市場における成功の鍵となるでしょう。


総評

本調査は、コンドミニアムと郊外の一戸建て双方に需要があるという、現在の住宅市場の複雑な状況を明確に示しています。デベロッパーは、RFOプロモーションの強化と、リモートワークに対応した設備の導入を通じて、これらの多様なニーズに応える必要があります。持続的な市場の成長には、購入者の変化するライフスタイルへの適応が不可欠です。

本記事は、C O L L I E R S M A N I L A S U R V E Y F L A S H R E P O R T (21 MAY 2025)から抜粋要約したものです。

家村 均