マニラウォーター株価急上昇のわけ?
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先週、マニラ・ウォーター(MWC)の株価が上昇しました。同社のイーストベイ浄水施設の改修工事が進展しているとの発表が投資家に好感されました。MWCは週末時点で取引量上位7位となり、3,200万株が取引され、総売買代金は12億1,000万ペソに達しました。株価は前週比で14.2%上昇し、34.50ペソから39.40ペソまで値を上げました。これは産業株指数の1.2%の上昇や、PSE総合指数の0.9%の下落と比較して好調な動きです。年初来では、2023年12月27日の終値27ペソから45.9%上昇しています。
イーストベイ浄水施設改修工事の92%という高い進捗率が成長のシグナルと捉えられ、株価上昇を後押しした可能性があります。この構造物は、アンガット・ダムへの依存を減らし、代替水源としてラグナ湖から1日あたり2億リットルの水を取水することを目的としており、総額5億2,500万ペソのプロジェクトの一部です。工事は2023年6月に開始され、2024年第3四半期の完了が予定されています。
同社のインフラ整備に対する確実な対応と長期的な水供給の安定性向上への貢献が、投資家心理をさらに支えました。さらに、同業であるメイニラッド・ウォーター・サービス社の新規株式公開(IPO)も株価上昇の一因である可能性があると指摘されています。証券取引委員会は6月2日にメイニラッドのIPO申請を承認しています。このIPOは、水道事業セクターへの関心を高め、MWCにとっても業界全体への評価向上につながる可能性があります。
また、MWCの堅調な2024年第1四半期の決算が今後の株価上昇を支える材料になると見おられています。同社は、純利益が前年同期比14.2%増の35億6,000万ペソに拡大したと発表しました。また、売上高も前年同期の88億2,000万ペソから7.2%増の95億4,000万ペソとなりました。
一方で、株価が過熱状態にある可能性も指摘されていて、今週はテクニカルな調整が入る可能性もあります。
総評:
マニラ・ウォーターの株価上昇は、インフラ整備の進展や好調な業績、業界全体への注目度の高まりが背景にあります。今後はテクニカルな調整に注意が必要ですが、長期的な成長期待は継続していると見られています。水道事業セクター全体が注目される中で、投資家の関心も高まっているといえるでしょう。
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