RLコマーシャルREIT株価急落、ブロック・セールとREIT市場のセンチメント変化が重しに
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フィリピンのRLコマーシャルREIT(RCR)の株価は先週、親会社ロビンソンズ・ランド(RLC)による大規模なブロック・セールと、REITセクターのセンチメント悪化により、大幅に下落いたしました。
RCR株は前週終値の8.26ペソから8.5%急落し、7.56ペソで引けました。これはPSE指数(4.8%減)や不動産セクター(3.8%減)を上回る下落率です。RLCは1株7.75ペソで10億株のブロック・セールを実施し、市場の株式供給増と希薄化懸念が短期的な売り圧力を生みました。
また、フィリピン中央銀行(BSP)や米国連邦準備制度理事会(FRB)からの利下げに対する慎重な発言が、不動産セクター全体の重しとなりました。一方で、RCR株は年初来で29.2%の上昇を維持しており、市場平均をアウトパフォームしています。今後の見通しとしては、ブロック・セールで調達した77.5億ペソの再投資計画と、最近組み入れた9つのモールからの収益貢献による配当の緩やかな成長が期待されています。
同社は今後3年で3000億ペソのポートフォリオ構築を目指しており、さらなる資産注入の可能性もあります。アナリストは、今回の下落により、魅力的な利回りを求める投資家によるバーゲン・ハンティングが発生すると見ており、テクニカルなサポートラインは7.45ペソに設定されています。
総評:
今回の急落は、短期的な市場の需給悪化と金利高止まりによるものです。親会社によるブロック・セールは、パブリック・フロート比率を高める前向きな動きであり、調達資金の再投資計画こそが将来の分配金成長の鍵となります。
RCRが年初来で市場を大きく上回るパフォーマンスを達成している点、および3000億ペソを目指す積極的な成長戦略は依然として魅力的です。金利不安が続く環境下ですが、既に大規模な資産注入を完了し、配当増加が見込まれるRCR株は、今回の急落により利回りの妙味が増しました。7.45ペソのサポートラインは重要な買い増し検討の目安であり、長期的な分配金成長を重視する投資家にとって、今回の調整は優良銘柄を手に入れる「バーゲン機会」と捉えることができます。