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フィリピン水道事業大手Maynilad大規模投資を計画

ニュース記事

フィリピンの水道事業大手マイニラッド(Maynilad)は、現在進めている2023年から2027年までの総額1,630億ペソに及ぶ大規模な設備投資(CAPEX)計画の一環として、2026年度には260億から300億ペソの投資を実行する方針を明らかにしました。この投資は、主に水の生産能力拡大、廃水処理施設の拡充、および無収水(NRW:漏水や盗水などにより収益に結びつかない水)の削減という、同社の成長を支える3つの柱に向けられています。

特に象徴的なプロジェクトが、105億ペソを投じて建設されるカマナ(CAMANA)水再生センターです。この施設は120万人の顧客にサービスを提供し、日給2億500万リットル(205 MLD)の処理能力を持つ国内最大級の廃水処理施設となる予定です。インフラ拡充に加え、効率改善の面でも顕著な成果が出ています。無収水率は2024年12月時点の38.4%から、2025年末には30.7%へと急激に低下しました。この無収水削減は、供給効率を直接的に高め、販売可能な水量を増やすことで、資産の積み上げと並行した強力な成長レバーとして機能しています。

今回の投資計画は、マイニラッドが着実な資産形成フェーズにあることを再確認させるものです。規制当局による料金改定の反映には一定のタイムラグがあるものの、投資によって拡大した資産ベースは、中期的な収益成長の強固な土台となります。一方で、今後の利益成長のペースを左右する要因として、資金調達の構成や規制上のコスト回収の進捗、そして金利動向が投資家からの注目を集めることになりそうです。


株式投資家視点:Manila Water(MWC)との比較

投資家の視点から、ライバルであるマニラ・ウォーター(Manila Water)と比較すると、両社の戦略的な違いと魅力が浮かび上がります。

  • 投資規模と成長の方向性: マイニラッドは5年間で1,630億ペソという巨額投資を行っており、これはマニラ・ウォーターの同期間の計画(約950億ペソ)を大きく上回る規模です。マイニラッドは2025年に新規上場(IPO)を果たしたばかりで、調達資金を武器に「攻め」の資産拡大フェーズにあります。一方のマニラ・ウォーターは、東ゾーンでの安定した運営に加え、近年は国内外のプロジェクト買収を通じた多角化を先行させています。
  • 効率改善の伸びしろ(NRW比較): 無収水率(NRW)において、マニラ・ウォーターは以前から10%台という世界トップレベルの低水準を維持しています。これに対し、マイニラッドは今回30%台まで改善したものの、依然として改善の余地(伸びしろ)が大きく、NRW削減がそのまま利益率向上に直結する局面にあることが投資上の魅力と言えます。
  • 料金改定の影響: 2026年からの料金改定では、マニラ・ウォーターの方が一戸あたりの値上げ幅が大きくなる見通しです。これは下水道普及率(環境料金)の達成度によるものですが、収益性という点ではマニラ・ウォーターに即効性がある一方、マイニラッドは現在建設中の大規模施設が稼働し、規制上の評価対象となることで、後から着実に利益を積み上げる構造になっています。

総評: マイニラッドの2026年投資計画は、インフラ拡充と業務効率化を両輪で進める健全な成長戦略の表れと言えます。NRWの大幅な改善は、これまで同社の課題とされていた運営の非効率性が解消されつつあることを示しており、収益構造の劇的な変化を予感させます。規制産業特有のタイムラグを考慮しつつも、拡大する資産ベースがもたらす将来のキャッシュフローは、長期保有を目指す投資家にとって魅力的な投資対象となるでしょう。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20260127のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントを加えたのです。

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家村 均