Globe Telecomデータブームと日本のIPSの海底ケーブル日比連携 ~アジア太平洋デジタルインフラの投資チャンス~
コラム
Globe Telecomは、2026年第1四半期の連結サービス収益を419.7億ペソ(前年比5%増)と伸ばしました。主な成長要因はモバイルデータ収益の11%増で、データトラフィックは18%増の1,810ペタバイトに達しています。ホームブロードバンドや企業データも堅調で、これらデータ駆動型サービスが収益の91%を占めました。一方、持分純利益は55.5億ペソ(同20%減)と減少しましたが、コア純利益は9%増、EBITDAは7%増と改善。設備投資は127.4億ペソ(同51%増)で、91%がデータ関連です。5G基地局を408カ所追加し、メトロマニラのカバレッジは98%超。Mynt(GCash)の貢献も大きく、税引前利益の30%を占めています。
このデータ需要の急増は、フィリピンのデジタル経済拡大を象徴します。若年人口の動画消費やBPO産業、生成AI・クラウドの普及がトラフィックを押し上げ、国際接続性の強化が急務となっています。そこで注目されるのが、日本企業・株式会社アイ・ピー・エス(IPS、株コード4390)のグローバルテレコム事業です。IPSはフィリピンを起点に海底ケーブル網を構築し、InfiniVAN,Inc.を通じて法人向け高速インターネットや地域インフラを提供。フィリピンで第3の国際データ通信キャリアとして位置づけられています。
特に注目は、IPSが共同構築する「Candle Submarine Cable System」です。2028年稼働予定の約8,000kmの新国際海底ケーブルで、日本・フィリピン・シンガポール(一部台湾・インドネシア・マレーシア経由)を結び、24ファイバーペアで最大570Tbpsの容量を誇ります。生成AIやデータセンター需要に対応した高容量インフラで、SoftBank、Meta、Telekom Malaysiaらとコンソーシアムを組成。驚くべきことに、Globe Telecomが2026年4月に正式参加を発表し、フィリピンのデジタルハブ化を後押しします。 また、2026年末完成のBaler CLS(陸揚局)はルソン島東岸に位置し、最大4系統のケーブル接続が可能。オープンアクセスで多事業者対応し、障害時迂回ルートを確保します。既存のC2C回線(マニラ-香港・シンガポール)やPDSCN(国内海底網)も実績を積み、フィリピン全土カバーを実現しています。
IPSの強みは日本品質の安定性と物理回線保有による容量拡張力です。フィリピンの通信遅延・高コスト課題を解決し、BPOや政府向けサービスで競争優位。2025年には株価が上場来高値を更新し、フィリピン通信事業の希少性から投資家注目を集めました。現在株価は約4,000円前後、時価総額約500億円。GlobeのQ1発表後、Globe株は1.8%上昇の1,700ペソで反応しましたが、Candle参加が長期成長を保証。IPS株もデータ需要波及で上昇余地大です。先行投資が増えても、AI時代のアジア太平洋インフラ需要が収益を支えます。
総評
Globeのデータ収益成長とIPSのCandleプロジェクトは、日菲連携の好例で、投資家に魅力的な組み合わせです。短期の純利益減懸念を上回るインフラ需要が株価を押し上げそう。アジアデジタルハブ化の恩恵で、両社とも中長期保有向きです。
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