格付機関フィッチがフィリピンの格付けを投資適格「BBB」を維持
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格付機関フィッチ・レーティングスは、フィリピンの投資格付けについて、「安定的な」展望を維持したと発表しました。
これは、経済の強力な中期成長見通しを示しています。フィッチはフィリピンの長期国債の格付けを「BBB」で維持し、これは最低投資適格格付けの1つ上の位置にあります。
BBBの格付けはデフォルトリスクが低く、経済が債務を返済するに十分な能力を反映しています。フィッチはまた、この格付けの展望を「安定的」に保ちました。これは、今後の18~24ヶ月維持される可能性が高いことを示しています。
なお、フィッチは今年5月に「ネガティブ」から「安定的」に見通しを変更していました。
フィッチは、「BBB」の格付けと「安定的な展望」は、フィリピンの強力な中期成長見通しを反映しており、これが中期的に政府債務/GDP(国内総生産)の減少をもたらすであろうと説明しています。
一方で、フィリピンの世界銀行のガバナンス指標での低いスコアが格付けを抑制しているとしています。
また、低い一人当たりGDPも格付けを抑制している要因としています。
フィッチによれば、フィリピンのGDP成長は中期的には6%を超える可能性があり、これは「BBB」の格付けを持つ経済の中央値である3%よりも強い数値です。
これは、マルコス政権が推し進めるBuild Better More (BBM)政策つまり交通インフラへの大規模な投資や貿易と投資を促進するための外資規制緩和や、民間資金を積極的に活用するPPPなどの公私連携を通じて行われることにより支えられるとしています。
また、フィッチは中期的に高インフレがしばらく続くリスクを指摘しながら、2025年までに3.5%に抑えられると予測しています。これはフィリピン中央銀行・バンコ・セントラル・ニグロ・ピリピナス(BSP)の2-4%の目標の上限付近の数値です。
フィリピンの経済は2022年第3四半期に5.9%成長し、前期の4.3%の成長を大きく上回りましたが、2022年同四半期の7.7%成長には及びませんでした。2023年の年初からの経済成長率は5.5%と、政府の6-7%の年間目標にはまだ届いていません。
インフレは中期的にも続く可能性があるとしながらも、フィッチは、BSPのインフレターゲッティングフレームワークと柔軟な為替レート制度を信頼性のあるものと評価しています。
また、フィリピンの経常収支赤字は、2025年までに100億ドル(GDPの2%)に縮小すると予想しています。
これは2022年の180億ドル(GDPの4.5%)からの大幅な減少です。
構造的な経常収支赤字は中期的に続く見通しであり、商品価格高騰が収束しても、強い国内需要と巨大インフラ投資により赤字は継続するとみています。
一方で、フィッチは、これらの赤字は長期の外部借入れと外国直接投資(FDI)によって十分に賄われると予測しています。
また、フィッチは、現在約61%に達しているフィリピン政府の債務対GDP比が2025年までに、54%に低下すると予測しています。
これはBBBの中央値で、強いGDP成長と財政赤字の縮小が、債務削減に寄与するとしています。
ちなみに、他のグルーバル格付け会社のフィリピンの格付けは、ムーディーズが「Baa2」、S&Pが「BBB+」です。
フィッチが「BBB」ということで、フィリピンは、主要な3格付機関の「A」格付けには、まだ届いていません。
これらすべての機関はフィリピンに対して、安定的な展望を示しており、今後12〜18ヶ月で格付け変更は起こりにくいとしています。
本記事は、下記ニュースを要約したものです。
https://www.bworldonline.com/top-stories/2023/11/13/557018/fitch-affirms-phl-rating-at-bbb/
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