世界的な格付け機関・ムーディーズは2024年のフィリピンをどう見ているか?
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フィリピンと中国の南シナ海を巡る紛争が拡大する可能性があり、それがアジア太平洋地域全体に広がる影響を持つ可能性があると、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが指摘しました。中国とフィリピンの緊張は、マルコス政権の下で増しています。
2016年には、国際連合支援のもとでの仲裁裁判所が中国の南シナ海へのほぼ全体的な主張は法的根拠がないと結論づけましたが、北京はその判決を無視し、島の建設活動を継続しています。
ムーディーズは、北朝鮮と韓国間の敵対行動の可能性や、インドネシアとインドの選挙など、アジア太平洋地域におけるいくつかの地政学的リスクにも注目しています。
一方で、フィリピンの安定した国内消費は、中国経済の減速、グローバルな需要の低迷、資金調達の制約といった要因の影響を和らげるであろうと述べています。
ムーディーズはアジア太平洋地域の信用格付けの見通しを2024年についてネガティブとし、中国経済の減速、弱い外部需要、グローバルな信用状況の制約が背景にあるとしています。
中国のGDPは、2023年の4.2%の成長から、2024年と2025年には4%に減速すると予想しています。アジア太平洋地域の輸出が米国とヨーロッパでの成長が鈍化することで弱体化する可能性も指摘しています。
フィリピンの輸出は11月に3ヵ月連続で減少しました。貿易相手国の上位は米国、日本、中国であり、輸出額はそれぞれ16%、13.2%、12.3%の割合でした。
最後に、ムーディーズは地域内の財政赤字が広がり続けており、各国政府がインフラ整備や高インフレ対策のために支出を増加しつつ、税収を増やすためにデジタル化の恩恵を利用していると指摘しています。
アジア太平洋地域の中央銀行は、需要圧力がそれほどないにもかかわらず、緊縮的な政策を続けており、ムーディーズはこれが引き続き金利を押し上げる要因となる可能性があると述べています。
本記事は、下記ニュースを要約したものです。
Philippine-China tensions over South China Sea may have wider implications for region — Moody’s
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