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フィリピンの失業率が2ヶ月ぶりに上昇、景気減速を示唆

ニュース記事

フィリピン統計局によると、3月のフィリピンの失業率は2ヶ月ぶりに上昇しました。これはインフレとエルニーニョ現象による干ばつが経済活動を制限したためです。

失業率の上昇

報告書によると、全国の失業率は3.9%に上昇し、これは失業者数が200万人に相当します。2月には3.5% (失業者180万人) 、1年前には4.7% (失業者242万人) でした。失業率は低下傾向を見せていましたが、3月に再び上昇しました。

失業率上昇の要因

フィリピン統計局のマパ次官は、農業生産の低さが失業率上昇の主な原因だと述べました。これらの産業では人員削減を余儀なくされています。

4月に3ヶ月連続で上昇したインフレ (3.8%) も生産を制限し、雇用に影響を与えていると見られます。

また、高水準の労働参加率と、第1四半期における雇用を増やす企業の採用慣習に関連する季節的影響が、失業率の上昇圧力となっているとも見られます。

改善する雇用状況の一面も

統計局によると、3月の雇用率は 2月の 96.5% から 96.1% に低下しましたが、前年同期の 95.3% と比較すると改善が見られます。雇用者数は 2月に比べて 20 万人増の 4,915 万人となり、前年同期比でも 48.58 万人増えました。雇用率は第 1 四半期も 96% に上昇しており、前年同期の 95.2% から改善しています。

労働力の増加と政府の対応

統計局は、雇用者、失業者、求職者で構成される労働力が、3月に前月比 40 万人増の 5,115 万人になったことも報告しています。2023年 3月の労働力は 5,100 万人でした。

経済開発庁は声明の中で、政府は引き続き高品質で高賃金の雇用創出を優先していくとし、民間部門からの雇用を生み出す投資を誘致し、社会基盤インフラを強化して、国民の雇用を改善することに注力するとしています。さらに、雇用可能性を高めるためのリスキリングとアップスキリングプログラムを準備するとしています。

業種別の雇用状況

3月の最大の月間雇用者減は、農業・林業部門で、31.8万人減少し904万人になりました。これに次いで、運輸・保管業が29.2万人減少し356万人、建設業が21.4万人減少し455万人となりました。

一方、月間雇用者数の増加は、公務・防衛部門が60.6万人増えて329万人、製造業が35.1万人増えて402万人、情報通信業が15.9万人増えて52.9万人となりました。

年初来雇用者数の減少では、農業・林業部門が88.1万人減少し、漁業・養殖業が44.9万人減少し103万人、宿泊・飲食サービス業が11.8万人減少し256万人となりました。

一方、増加数では、卸売・小売業が96.3万人増えて1075万人となり、製造業が55.3万人増えて402万人、公務・防衛部門が22.9万人増えました。

今後の見通し

インフレの影響で、4月の失業率はさらに上昇すると見られています。

また、法定最低賃金の引き上げが、雇用見通しに悪影響を与える可能性があることも指摘されています。マルコス大統領は、インフレによる生活費の上昇にもかかわらず、給与の水準が停滞しているフィリピンの労働者に対処するため、地域最低賃金の見直しを地域賃金委員会に指示しています。地域賃金委員会は、インフレなどの経済的課題を考慮して、最低賃金の見直しを行う機関です。

マルコス大統領は、労働者、雇用主、政府の三者からなる委員会に対し、給与の定期的かつ適切な見直しを行うよう要請しました。

フィリピンでは、最低賃金はそれぞれの地域の賃金委員会によって、日々調整されています。

一方で、昨今の高インフレ・生活費の上昇に対して、給与の伸びが追いつかない状況下で、立法を通じた賃金引き上げの動きを促しています。

国会では、民間企業の最低賃金を1日100ペソ引き上げる法案を可決しています。また、別の法案では、企業の最低賃金を1日150から750ペソ引き上げることを提案しています。

フィリピン経済は、インフレの影響を大きく受けており、労働者の実質賃金は減少傾向にあり、政府の対応は適切なものであるとする見方が多く、ビジネス団体や経済専門家からも賛成の声が上がっています。

一方で、最低賃金の引き上げには、フィリピン経済の大きな部分を占める中小企業にとっては懸念材料でもあります。

本記事は、下記ニュースを要約したものです。

https://www.bworldonline.com/top-stories/2024/05/09/593793/phl-jobless-rate-at-two-month-high

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